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Beyond SDGs vol.01

SDGs2.0時代にBeyond SDGsの連載を始める理由

author: 大畑慎治date: 2022/02/19

今回から「Beyond magazine」で連載を開始する「Beyond × SDGs」。初回となる今回は、本連載のナビゲーターでソーシャルマエストロの大畑慎治さんに、連載を始めるにあたって「SDGs 2.0」について語っていただきました。

初めまして、大畑慎治です。

僕は本業では、大手企業やベンチャー企業の事業開発、ブランド開発、ソーシャルイノベーションに関する経営支援をしたり、早稲田大学ビジネススクール(MBA)のソーシャルイノベーションのクラスを担当したり、SDGs×ウェルビーイングの「ここちよく生きる」世界を応援するキャラクター「ここちくん」のプロデュースをしたりしている、ちょっとだけ変わったヒトです。

ここちくん



ここちいい世界を目指す不思議ないきもの。大畑慎治が提唱する「SDGs+(エスディージーズプラス)」の18番目の目標を象徴するキャラクターとして活動中。

Twitter:ここちくん by 大畑慎治
Instagram:@cocochikun
公式ECサイト:ここちすとスタジオ
WEB :https://o-ltd.tokyo/04cocochikun
その他SNS:https://lit.link/cocochikun

元々はメーカーで10年間、異端児イントレプレナー(社内起業家)として、産官学民連携や、異業界・異業種連携を中心に、新しい事業、ブランド、商品、研究を生み出すことに尽力してきた人間なんですが、その後はブランドコンサルファーム、新規事業コンサルファーム、ソーシャルクリエイティブグループで、さまざまな業界企業の経営支援に従事。

2016年ごろからは、SDGsやサーキュラーエコノミー、エシカル、ソーシャルグッド分野の企業変革、事業開発、ブランド開発、共創プロジェクトのプロデュースなどを手がけてきました。

性格としては、僕は単なる正論や、議論や、お勉強で終わってしまうのが好きではないので、きちんと具体的に形にして、新たな社会のリアルをつくっていきたい考えのヒトなんですね。

そんな僕が、今、SDGsに関して思っていることは、

「ここ数年はマスメディアや教育の動きも相まって、SDGsの認知や理解はしっかりと広まってきた」

「でも社会の実態としては、まだ全然変化できてないじゃん!」

ということ。

SDGsは壮大な「課題のリスト」でしかないので、それを知ったり、議論したり、検討しただけでは社会におけるアウトプットはゼロで、重要なのはその先の具体的なアクション!

とくに、人々の日常生活や地球環境に直結している企業や産業構造自体が、もっとダイナミックに変わっていかなければグレート・リセットはできないと思うので、そのような社会の進化を実現していくために、本記事では「SDGs 2.0」の提唱と「SDGs2.0時代の、“18番目”の目標」のお話をします。

SDGsは机上の議論からリアルなアクションへ

皆さんご存知の「SDGs」は2030年に向けた世界で一丸となって解決すべき目標で、17の目標と169のターゲットで構成されています。

この視点以外にも世の中にはさまざまな課題があるんですが、通常、多くの課題は「ビジネス」を通じて解決されていくんですよね。一過性のCSRやボランティアとは違って、ビジネスにするということは「その課題が解決される継続的な状態が社会に実装される」ということなので。

でも、今SDGsに挙げられている17の課題は、長年ビジネスとしての解決が難しかった内容や、解決ができなければ地球で生きていくことができなくなるようなクリティカルな内容がメインになっています。

だからこそ、僕らは2030年の目標達成に向けてうまくアプローチを進めていかなければいけないんですが、僕はこれに関しては、3つのフェーズに分けて、戦略的に段階的に進めていくことが重要だと思っています。

実際、これまでの「調査や議論中心のフェーズ」と、これからの「具体的なアクション・検証のフェーズ」では、コアプレイヤーも、進め方も、考え方も、まったく異なってくるからです。

「SDGs2.0時代」の役割

2015年のSDGs採択からこれまでの期間を「SDGs 1.0時代」としたとき、これまでの期間では主にSDGsの課題や目標の周知、ビジョンメイク、方針や環境の整備などの議論が進められてきました。

そして今はもう、1.0時代の役割は充分で、次は企業や産業がどんどんと具体的に新しい経営、事業、商品、サービスに取り組んで、新たな社会システムへの「挑戦」を進めていくことが重要になってくるんですが、実際問題、これがあまり上手く進んでいない。

理由はいくつかあります。

例えば「ステークホルダーのマルチ背反問題」。

2016年以降、僕も政府、企業、生活者の方々のお話にいろいろと悩んだりしましたが、それぞれが口を揃えて言っていたのは「ほかの2つの環境がもっと進んでくれたら、自分たちももっと進めることができるのに!」という「三律背反」 & 「卵-鶏論」 & 「他力本願」みたいな話。

さらにもっと具体的な実行や挑戦の話になってくると、既得権益の話も絡んできて、みんな「SDGsは賛成だけど自分たちが損をするのは嫌だ!」というような「総論賛成・各論反対」の状況も猛烈に生まれてくる。

挑戦を進めようとしているなかでは、例えばこのようなマルチ背反に対するブレイクスルーも必要になってきます。

そのほかにも、例えば事業開発の視点では「事業性と社会性の両立」のハードル。僕は、この両立への挑戦は「今の時代を生きるビジネスパーソンの使命」だと思っているんですが、これって「言うは易し、行うは難し」で、多くの場合はもっとも重要でもっとも高いハードルのひとつになっています。

また事業開発の推進の視点から言うと、「実行者の肌感覚」も重要です。実行者が素晴らしいビジネスアイデアを持っていたとしても、本人自身が「これはイケる!」っという肌感覚や確信を持っていなければ、企業の経営層を熱く説得したり、社内外のステークホルダーを大きく動かしたり、最後までやり切ったりすることができないんですよね。

これら「ステークホルダーのマルチ背反」「事業性と社会性の両立」「実行者の肌感覚」のような課題があって、「これをやったら上手くできる!」というような成功方法も立されていない今のSDGs環境。これに対してできることはひとつで、間違えながら、試行錯誤しながら、どんどんとPDCAを回していくしかないです。

机上の議論はもうやめて、SDGsの解決に向けて社会全体で、失敗ありきで、具体的な挑戦のPDCAを回しながら次のフェーズに向けた土台を培っていく期間が「SDGs 2.0時代」。

一発一中、一朝一夕で成功を目指すのではなくて、2030年に向けた全体プロセスの中に、このフェーズをきちんと意図してデザインをしておくことが重要。そして、この存在があるからこそ、2030年に向けた大きなソーシャルインパクトを生み出していく「SDGs 3.0時代」がリアルに実現していくことができると考えています。

「SDGs 2.0時代」の「Sense Out Model (センスアウトモデル)」

どんどんとPDCAを回していく「SDGs 2.0時代」の事業開発。そのひとつのヒントとして、「Sense Out Model(センスアウトモデル)」を紹介したいと思います。

「Sense Out Model」は、2018年に僕らが提唱したマーケティングモデルなんですが、SDGs時代の事業やサービスは 「Product Out-Market In」のサイクルを回すだけではまったく不充分だと思っていて、むしろもっと企業の内側にいる「個人」の思いや感覚と、市場の外にある「社会」の課題や状況にフォーカスをした「Sense Out-Social In」のサイクルから、未来社会にあるべき事業や産業をつくり上げていくことが重要になってくると思っています。

とくにリサーチ結果などの「客観」からスタートするのではなく、「個人」の思いや感覚などの「主観」からスタートする。その「Sense Out」の部分が重要で、そうやって本気で自分ごと化をして進めていかないと、通常よりも大変なSDGsソーシャルビジネスに対して、24時間365日熱量を持って取り組んだり、きちんと事業を社会実装するするまでやり切ることができないと思っています。

そして「Sense Out」からスタートをした先で、「コンセプト化→ビジネス化→アクション化→遂行」を進めていく。そして実態に具体的に遂行をしていくと、新たな「情報、視点、知見、価値観、経験、出会い」から次の世界が見えてくるので、そこからまたコンセプト、ビジネスのブラッシュアップと次の具体アクションを生んでいく。

これをできるだけ高速に回して、多くの偶然を積み重ねていくことで、事業開発が一歩一歩前に進んでいくことになります。

「SDGs 2.0時代」の「“18番目”の目標」

このような「SDGs 2.0時代」をうまく進めていくにあたって、僕はひとつ大きな違和感を持っています。

それは、今のSDGsの目標は世界の社会課題のみにフォーカスをしていて、「個々人のウェルビーイング」の視点が抜けているということです。

実際には、SDGsの目標の先に「社会のウェルビーング」を見据えているわけですが、そうではなくて、あえて重要な目標のひとつとして「個々人のウェビーイング」をきちんと示しておかないと、今、産業開発、事業開発、商品・サービス開発の現場では、その視点が抜け落ちた議論が行われしまっています。

また生活者サイドを見ても、多くの人は、「自分の幸せを後まわしにしてでも地球や世界の目標にコミットをする」っていうのはハードルが高いし、現状でも「SDGsの壮大な課題だけを教えられても、結局どうしていいか分からない」という声もよく聞きます。

そこで「SDGs 2.0時代」では、「18番 個々人のウェルビーイング」を加えた、18番目の目標 “SDGs+(エスディージーズプラス)” を使っていきたいと思います。

「個人が我慢をしてでも地球を救うんだ!」ではなくて、「SDGsの解決と、個人のウェルビーイングをうまく両立していこうよ!」という文脈や視点を持つことでもっとマスを巻き込んでいきたいし、マスを巻き込んでいくことで、まだビジネスのメインストリームになりきれていないSDGsがきちんと産業やマーケットになっていって、企業ももっと力強く挑戦をしていくことができるようになります。

また、 “SDGs+(エスディージーズプラス)” をしっかり世の中に発信をしてその社会シフトを加速していくために、「18番 個々人のウェルビーイング」を象徴するキャラクター「ここちくん」にも活躍をしていってもらおうと思います。

「SDGs 2.0時代」のための「Beyond SDGs」

次回vol.002に向けて、改めて「SDGs 2.0時代」のポイントをまとめると「もう考えるな! 感じろ! MADにやれ!!」っということ。とりあえず「やれよ!」っということです。

幸いにも今は「SDGsを本当に実現していきたい」「もっとソーシャルグッドな領域の仕事に没頭したい」「サーキュラーエコノミーやエシカルに領域に貢献していきたい」という熱い想いをもつ、企業経営層や、事業開発担当者、若者がどんどんと増えてきている状態。

そのようなヒトたちの背中をあと押ししていくために、「Beyond SDGs」では、すでに社会性×事業性の領域で挑戦を続けているソーシャルプレイヤーをお招きして、社会課題解決やソーシャルビジネス開発に関する挑戦のリアルについて、インタビューを実施します。

モデルケースとして、そのマインドや手法やノウハウを参考にしていただくと同時に、ソーシャルマエストロ・大畑慎治の独自の視点で、ソーシャルアクションのポイントを紐解いていければと思います。

次回からは、ソーシャルプレイヤーの具体的なお話をお届けしていきますので、お楽しみに!


author

ソーシャルマエストロ
大畑慎治

ソーシャルグッドの社会実装プロデューサー。メーカーのイントレプレナー、ブランドコンサル、新規事業コンサル、ソーシャルクリエイティブグループで一貫して、新たな事業や市場を生み出す仕事に従事。2016年以降は、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、エシカルなどの領域の企業変革、事業開発、ブランド開発、プロジェクトプロデュースなどを手がける。現在、O ltd. CEO、Makaira Art&Design 代表、THE SOCIAL GOOD ACADEIA(ザ・ソーシャルグッドアカデミア) 代表、IDEAS FOR GOOD 外部顧問、感覚過敏研究所 外部顧問、おてつたび ゆる顧問、MAD SDGs プロデューサー、早稲田大学ビジネススクール(MBA)ソーシャルイノベーション講師、ここちくんプロデューサー などを兼務。
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