夜の過ごし方が、マンネリ化してきた気がする。居酒屋でいつものメンバーと飲むか、家でスマホをだらだら……。それも悪くないけど、もっとゾクゾクする夜があってもいいんじゃないか。
そんな夜は、「UFOを探しに行く」なんて選択肢はどうだろう? UFOがいるのかも、と空を見上げて興奮した子ども時代のように、ただただ未知との遭遇を求めて、夜の街を冒険する。
今回は、オカルト好きだというラップグループ、ザ・おめでたズのセキさんと一緒に、ワクワクする気持ちに身を任せて、都内のUFOスポットを巡ることにした。

セキハラグチ
“日常を祝う”5MC1DJのラップグループ、ザ・おめでたズのMC兼グッズ制作担当。趣味は箸袋など印刷物の蒐集。炒め物が得意。一児の父。右利き。
Instagram: @thaomedetaz/@sekiyikes
オフィシャルサイト: https://thaomedetaz.tumblr.com/
そんな訳ないを求めて夜の街へ
――UFOを探すべく、夜の新宿駅にお集まりいただきました。取材日はなんと日本で約3年ぶりに観測された皆既月食の翌日。
セキ:これはもう、何かが起きる予感しかないですよね(笑)。しかも新宿ってだけでも異世界感あるし。
――夜の顔をいくつも持ってる街ですからね。居酒屋、ライブハウス、繁華街……ただ、今夜はどこにも寄りません。目的はただひとつ。UFOを探しに行く。
セキ:マジで意味わかんなくて最高ですね(笑)。でも僕、けっこう本気で信じている派です。宇宙人とか、いてもおかしくないなって。

――セキさんは、オカルト好きだとお聞きしました。
セキ:はい、けっこう好きですね。信じる理由がなくても、ワクワクするって最高じゃないですか。ロマンがあるというか。
――所属されているラップグループのザ・おめでたズでも、そのような世界観を取り入れた楽曲を発表されていますよね。
セキ:「365日を勝手に祝う」をモットーに、“日常を祝うラップグループ”として活動しています。元日や勤労感謝の日といった王道の祝日はもちろん、幽霊の日やかき氷の日みたいなマニアックな記念日まで、僕らで勝手にお祝いして曲にしちゃうっていう(笑)。
――その中でも、「UFOの日(6月24日)」や「オカルト記念日(7月13日)」をテーマにした楽曲もありますよね。
セキ:そうなんです。ちょうどその記念日にあわせて、「UFO」と「トワイライト・ゾーン」っていう曲を作りました。「トワイライト・ゾーン」はまさに今日の企画にぴったりな内容で、“ヘイ 野暮は言わせない ありえないとかありえない ワクワクしたいのさ 俺らまだまだ夢見るボーイ”っていうリリックがあるんです。信じる理由なんてなくていい。信じたいって気持ちを肯定してる。今日みたいな夜にちょうどいいと思うんですよね。
――今日は、「くだらないのがたまらない」テンションで行きましょう。
セキ:ワクワクしますね。ちなみに今日は、いつUFOに遭遇しても大丈夫なように私物のUFOグッズを持ってきました。昭和のオカルト感がめっちゃ好きで。『空飛ぶ円盤UFOびっくり大事典』は中野で購入したものです。まさかこの雑誌を使う本番が来るとは(笑)。Tシャツは、街に火星からのUFOが着陸しているイラストのものです。パンツはupper field oneというブランドの商品で。
――UFO探しの準備万端ですね!

UFO探しに出発!
UFOに乗っているみなさん、聞こえますか? コチラ屋上
――遮るものがない方がUFOを発見しやすいということで、最初の目的地は、ビルの屋上です。セキさんと一緒に、夜の街を歩きながら向かいます。

セキ:屋上ってだけでも、ちょっと非日常ですよね。
――ちなみに、もし本当にUFOに出会ってしまったら……どうします?
セキ:え~、こわいですね(笑)。まず、サイズ感が分からないじゃないですか。めちゃくちゃデカかったらビビるし、見た目も重要。ドロドロした感じだったらイヤかも。いきなりビームとか出されて攻撃されるのも困る。できれば、THE宇宙人! って感じのビジュアルで、イメージ通りのUFOに乗っててほしいな。そのほうがテンションあがりますね。
――もし会話できるなら、何を話してみたいですか?
セキ:まずは地球温暖化について聞きたいですね。地球より文明が進んでるはずだし、地球人じゃもうどうにもならないことってあるじゃないですか。宇宙人さん、なんとかしてくれないかなって(笑)。
――そんな話をしているうちに、目的地のビルに到着しました!
セキ:うわ~、空がめっちゃ広い……。こんなふうにちゃんと夜空を見るの、久しぶりかも。

――ということで、今回は「UFOの呼び方三ヶ条」をもとに、UFO召喚に挑戦します。某オカルト雑誌が公式に出している「正しいUFOの呼び方」らしいです。
セキ:そんなのあるんだ(笑)。
――まずは、空が開けた場所で深呼吸して、気持ちをリラックス。怖がらず、楽しむことが大切です。
セキ:じゃあ深呼吸から……すー、はー。

――次に、UFOの姿をイメージします。見たことがあれば、そのときの記憶を思い出してください。なければ写真や映像で代替可能みたいです。
セキ:あ、それなら僕、子どもの頃に一度だけUFOっぽいもの見たことあるんですよ。京都の左大文字の山の方がピカーって光った記憶があって。アダムスキー型ではなかったけど、でっかい何かが空に浮かんでたような……あれ、なんだったんだろうな〜。
――では、そのときの記憶を頼りに、今夜も呼びかけてみましょう。空に向かって「ベントラ、ベントラ、スペースピープル、こちら屋上ー!」と唱えてみてください。
セキ:ベントラ、ベントラ、スペースピープル……。って、なんで「ベントラ」なんですかね?(笑)。
――どうやら「ベントラ」は宇宙語で“宇宙船”という意味らしいです。
セキ:宇宙語、人生で初めてしゃべることになります(笑)。ベントラ、ベントラ、スペースピープル、こちら屋上ー!
――ここで大事なのは、UFOは絶対に来る! と信じて、気を送ること。これを5分間続けたあと、10分間ぼんやり空を見上げて待ちます。それを何度か繰り返す、というのがUFO召喚の流れです。
セキ:思念を空へ。
――あれ、なんか光っていませんか!?

セキ:もしかして、UFOじゃない?
――……飛行機です(笑)。

UFOじゃなかった……
セキ:……まあ、ですよね。でも、飛行機にしては動くスピードはやくないですか。なんかさっきより“UFOに会えそうな空気感”、増してきたかも。マジで、来そうな気がしてきました(笑)。

夜の公園でUFOと交信
――ということで、屋上での初トライを終えて、次のUFOホットスポットへ。やってきたのは、木々に囲まれた静かな夜の公園。
セキ:やっぱりこういう自然の多い場所のほうが、UFOも出やすい気がしますよね。ガヤガヤしてると、恥ずかしがって出てこない宇宙人がいるかもしれないですもんね(笑)。

――場所を変えたついでに、違う呼び方にもチャレンジしてみましょう。今度は、UFO接触者の間で有名な“音”を使う方法。UFOのエンジン音を口ずさむことで呼びかける、というやつです。
セキ:TVとかで見たことあります。ゆーん、ゆんゆんゆん……ゆーん……ゆんゆんゆんゆん……と呼びかけるやつですよね。
(数秒間、静寂)
セキ:……来ないなあ(笑)。

――なかなか難しいですね。もし本当にUFOが現れて乗れるとしたら、どんな形に乗ってみたいですか?
セキ:僕は一旦、アダムスキー型がいいっすね。下に丸い玉がついてる一番オーソドックスなやつ。母船から来てる偵察機って感じで。あれで長距離移動できるのかは謎ですけど(笑)、リング型ってのもありますよね。
――詳しいですね。
セキ:もしかすると、宇宙人側にも「人間に見られたらアウト」って規定があるかも。見られたら罰せられる的な(笑)。だから僕らが見られないだけで、実はもう隣にいるとか。
(ブーン……)
セキ:うわっ! なにか体に当たってきた……!

――えっ、UFO!?
セキ:虫でした。いや、宇宙人よりも虫のほうがビビるかもしれないです。
目撃情報多数、ホットスポットで最後のトライ
――屋上、公園ときて、最後に訪れるのは永福町です。
セキ:僕、このあたりのエリアに住んでいたことがあるんですよ。まさかUFOに遭遇できる街だったなんて、知らなかったです。

――UFO関連情報を集めている非営利団体・全米UFO報告センターが公開している「UFO目撃情報マップ」には、多数の目撃情報が寄せられるホットスポットがあるそうです。
セキ:そんなデータベースがあるんですね。僕もUFOを発見したら、そこに投稿できるってことですよね。
――目撃情報は日付、場所、UFOの形状や動きなどの詳細とともに掲載されており、マップ上で確認できるようになっているみたいです。
セキ:めっちゃ便利(笑)。

――永福町周辺で目撃された情報は、「オレンジ色の火の玉が無音で空を切り裂き、奇妙な軌道を描いた」「四隅に琥珀色の光がある黒い三角形の物体が滑るように飛行」「3つの明るいライトを備えた円形の物体がゆっくりと移動」「青緑色の円錐形の物体が数分間、空中に静止していた」など、多岐にわたるみたいです。
セキ:めっちゃ目撃されてる。でも僕、一度も見たことないんですよね(笑)。住んでいたのに……。
――むしろ、今日がチャンスなのでは?
セキ:ですよね。最後のスポット気合いを入れて呼んでみます。「ベントラ、ベントラ、スペースピープル、こちら永福町!!」

……
セキ:やっぱ、来ないかあ(笑)。でも、今夜いろんな場所を歩いて、空を見上げて、呼びかけて……なんだか世界の見え方がちょっと変わった気がしますね。
――どう変わりました?
セキ:普段生活してて、こんなにも上空を気にすることないし、今回「もしかしたらUFOいるかも!?」って期待してずっと見上げてて、新しい視点が備わった気がします。

――今夜の成果はどうでしたか?
セキ:UFO、見れたかって? いや、宇宙船には出会えなかったですけど……。
セキ:すぐそこのコンビニで焼きそばUFOにはちゃんと遭遇しました(笑)。今日のミッション、ある意味成功ってことでいいですかね。
🌟今回登場したUFOの呼び方💫
呼び方1️⃣
①空がよく見える場所で深呼吸する。
リラックスした気持ちで臨むのが大事。怖がらずに、楽しみながら呼びかけるのがコツ。
②UFOの姿をイメージする。
見たことがある人はそのときの記憶を思い出し、見たことがない人は写真や映像を参考にして想像する。
③空に向かって呼びかける。
「ベントラ、ベントラ、スペースピープル、こちら〇〇(地名)」と唱え、UFOは絶対に来ると信じながら波動を送り続ける。
④5分間、思念を送り続けたら、10分間ぼんやり空を見上げる。
これを数回繰り返して、UFOとのコンタクトを試みる。
呼び方2️⃣
①UFOのエンジン音をまねて口ずさむ。
音は「ゆーん、ゆんゆんゆん……」というような低音でゆっくりとしたリズムが基本。一定のリズムで繰り返すことで、UFOに存在を知らせる“波動”を送るとされている。
②心を静かにして、空に集中する。
こちらも「信じる気持ち」が大事。雑念を捨てて、ただ空を見上げながら音を響かせる。
ミナサンモ トライシテミテネ👽️🛸