フィクションの世界にはおいしそうな食べ物がたくさん。思わずよだれが出そうなご飯から、実際に存在するのかわからない不思議なメニューまで。食事シーンと一緒に物語を思い出すという人もいるのでは? 今回は、いまの20代にとって懐かしい、あのアニメのお菓子を再現。
一緒に作ってくれたのは、動画クリエイターの丈唯さん。ポップでどこか懐かしい丈唯さんの動画や写真はまるでフィクションの世界のよう。そんな丈唯さんとフィクションとの関わりをお聞きしながら挑戦したお菓子作りの様子をお届け!

丈唯
1998年生まれ。東京都出身。コロナ禍をきっかけに動画編集を始め、現在のSNS総フォロワー数は22万人超え。ものづくりを得意とし、服のリメイクや部屋づくりの企画が好評。最近はランプ収集に夢中。
Instagram:@john.so1/
動画クリエイター・丈唯の世界観を作るもの
TikTokやInstagramで独特のポップで可愛らしい世界観の動画を投稿するコンテンツクリエーター、丈唯さん。その活動の始まりは、コロナ禍にあった大学4年生の頃だという。
「高校生の頃からシンガーソングライターをやっていて、大学生のときには事務所に所属して俳優としても活動を始めました。でもコロナ禍に突入して一気にオーディションの機会が減って、やることがなくなってしまったんです……」
そんな時に出合ったのがアメリカを拠点に活躍するクリエーター・Zach King(ザック・キング)の動画だった。2800万フォロワーを誇る彼の「魔法のような動画」に衝撃を受けた丈唯さんは、すぐに自分でも動画制作を始めることにした。
「こんな動画が作れるなんて、まるで魔法のようだと思いました。自分もやってみたいと思いました。それまで動画編集をがっつりやったことはありませんでしたが、見よう見まねですぐにTikTokで投稿を始めました」
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動画投稿を始めて数年、SNSを覗けば丈唯さんならではの世界観を持つフィードが出来上がっている。作品に一貫して流れるポップで可愛らしい世界観の原点は、どこにあるのだろうか?
「2歳年上の姉がいて、彼女の影響で幼い頃からいわゆる“男の子向け”の作品だけじゃなくて、様々なコンテンツに触れてきました。『オシャレ魔女 ラブandベリー』とか、画面見なくても叩けるくらいやり込みました。当時は友達にからかわれるのが恥ずかしいから、夕方に姉と2人でこっそりゲームセンターに行ったりして(笑)」
『オシャレ魔女 ラブandベリー』の他にも、ディズニー映画やジブリ映画などのアニメ、『ストレンジャー・シングス』『ザ・ボーイズ』などのドラマ、そして『おいでよ どうぶつの森』などのゲームまで、幅広いフィクション作品から影響を受けてきたという。特に最近は、『おいでよ どうぶつの森』のような部屋作りにも凝っているそう。
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『おジャ魔女どれみ』シリーズのケーキに挑戦!
そんな丈唯さんと、今回一緒に作ったのが、1999年から放送された人気アニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズに登場するお菓子。『おジャ魔女どれみ』は、ざっくり言えば、主人公・春風どれみが魔女見習いとして幼馴染や仲間たちと一緒に修行を積み、様々な困難を乗り越えながら成長していく物語だ。
1998年生まれの丈唯さんは本作とほぼ同い年。当然、『おジャ魔女どれみ』もお姉さんと一緒に観ていたそう。
「そんなに前の作品ということに驚きました。実はいま(2025年8月時点)、U-NEXTでも配信されていて久しぶりに観てみました。大人になったいま改めて観てみると、子ども向けアニメとは思えないほど深いテーマが込められている回が多いんですよ」
そんな本作から、再現に挑戦したのが「愛しのトゥルビヨン」というケーキだ。数あるお菓子のなかでも、華やかで可愛らしい見た目のこのケーキ。アニメ第3シリーズとなる『も~っと! おジャ魔女どれみ』にて、どれみたちは試験の課題としてこのケーキを作ることを課される。さらに、物語のキーパーソンの一人である魔女界の女王「トゥルビヨン」がフィアンセからプロポーズされる際に受け取ったケーキでもある。
今回は簡単レシピで再現を目指して以下のような手順で挑戦!

<材料>
・スポンジ
・いちごジャム
・ババロリア いちご味(ババロアの素)
・牛乳
・熱湯
<レシピ>
①スポンジケーキにジャムを塗り、クルクルと巻いてロールケーキを作る。
②サランラップを巻いて、馴染むまで冷蔵庫へ。
③ロールケーキを1cmほどの幅でカット。少しケーキを残しておく。
④ガラスのボウルにカットしたロールケーキを敷き詰める。
⑤ババロア液を作り、ボウルに流し込む。
⑥残しておいたケーキで蓋をし、冷蔵庫でよく冷やす。
⑦周りにジャムを塗ったら完成。
普段、お菓子作りはあまりしないという丈唯さん。恐る恐る、ケーキ作りにトライしてくれた。

ジャムを塗ってロールケーキを作る

切ったケーキを敷き詰める

ババロアを流し込んで、冷蔵庫へ
お菓子作りに慣れている人はスポンジやジャムから手作りするのも良いだろう。今回は、初心者コースとして、既製品をフル活用……!
「いろいろと便利なものを使った簡単レシピだから、思ったよりもすぐに終わりましたね。でも、ババロアを作るのは初めてだから、うまくできるのかちょっとドキドキです」
想像よりもスムーズにケーキ作りは進み、無事、冷蔵庫へ。ババロアが固まるのを待っている間、せっかくなので、クッキーにお絵描きしてみることに。アイシングクリームやチョコペンを使って、器用に絵を描く丈唯さん。

どれみたちが魔女衣装「見習い服」に着替えるときに使う「見習いタップ」を再現。カラフルなグッズたちは、お菓子のデコレーションアイデアとしてもぴったりだ。
約1時間半後、ついに「愛しのトゥルビヨン」を実食。お皿の上にひっくり返すと、綺麗に固まったケーキが!

外側にジャムを塗ったら完成だ。
「かわいい!本当にアニメに出てきそう」
と盛り上がるなか、ここで問題発生。冷やし時間が足りなかったのか、内側のババロアがまだ固まり切っていなかったのだ。残念ながら失敗かと思いきや、丈唯さんが「大丈夫。僕、なんでも食べます!」パクリと一口。さすが、普段からモノづくりの試行錯誤を重ねている丈唯さんは勇気がある……!
「外側はちゃんとおいしい。めちゃくちゃ甘いけど、想像よりもちゃんとできてる。プロポーズに使われるのも納得の甘さです(笑)」
取材チームも実食してみると、確かに外側はしっかり固まっており、ケーキらしい味に仕上がっていた。強い甘さもある意味フィクションっぽい……。
もし自宅でもおいしく「愛しのトゥルビヨン」を作ってみたいという方がいたら、冷やし時間は2時間以上、ジャムは少なめをおすすめしたい。

疲れたときも、頑張りたいときも味方になってくれる
改めて、この再現お菓子を作ってみた感想を聞いてみるとこんな答えが返ってきた。
「『おジャ魔女どれみ』シリーズを改めて観てみると、登場するレシピって、意外と実践できそうなものが紹介されているんだなと思いました。また、今日おまけ的にクッキーへのデコレーションもしてみましたが、こういう風に手を動かして何かを作るのは楽しいですし、動画映えもしそうなのでおすすめしたいです!」

また、今回の企画を通して、自身とフィクション作品との関わりについても振り返る機会になったという丈唯さん。アニメやドラマ、ゲームなど様々なフィクション作品に触れて、どんなことを感じてきたのだろう。
「やっぱり、1番は疲れたときとか現実を忘れたいときに頼りになるのがフィクションの世界かなと思います。一方で、現実世界で頑張る原動力になるときもあります。たとえば、『あつまれ どうぶつの森』なんて、ゲームのなかでDIYでなんでも作れるじゃないですか。そういうのを見ていると、『あ、自分も服とか部屋とかリメイクできるかも』って思えたりする。現実世界の創作活動を後押ししてくれるときもあるんです」

フィクションの世界と現実の世界を行ったり来たりするようにして、あの魅力的な動画たちが生まれていることがわかる。最後に、今後の活動について聞いてみた。
「引き続き、動画制作を中心にいろいろなモノづくりに挑戦していきたいです。今回みたいに何かを作る過程を動画にするのも面白いですね。自分の好きなものを、動画を通して多くの人に知ってもらえるのが嬉しいです。これからも、見ている人が楽しくなるような、ポップで可愛い世界観の動画を作っていきたいです」
丈唯さんが語るように、フィクションの世界に浸ることは息抜きにもなれば、自分を奮い立たせるきっかけになるときもあるだろう。ちょっと息が詰まるな、なんてときは思い切って、あの物語の「おいしい!」の再現に挑戦してみるのはどうだろう?
