MENU
search icon
media
Beyond magazineでは
ニュースレターを配信しています
検索
Tags
  1. TOP/
  2. エンタメ/
  3. モデル・Tsugumiの縦横無尽なバケットリスト
エンタメ

4枚の便箋に綴るたくさんの好奇心と幸せな未来

モデル・Tsugumiの縦横無尽なバケットリスト

author: 山梨幸輝date: 2024/05/24

映画『最高の人生の見つけ方』でその名前が広まった「バケットリスト」。“死ぬまでにやりたいこと”を書き出したリストのことだ。時間や貯金のことは脇に置いて、自分の欲と向き合い、理想の未来を思い描く。一見すると“絵に描いた餅”にも感じられる行為だが、実際にやってみると想像以上の発見と癒しを与えてくれるらしい。

「長生きしたくなりました」。そう語るのはモデルのTsugumiさん。近年は俳優としても活躍するほか、ギターの弾き語りや陶芸に挑戦したり、動物や映画への深い造詣を語るなど、“やりたいこと”に素直な姿も印象的だ。4月に誕生日という節目を迎え、自分と向き合うことも多い時期だというTsugumiさん。バケットリストを通じて見つけたものとは。そして彼女が描く“最高の人生”とは何か。

Tsugumi

2016年、高校在学中よりモデル活動を始める。数々のファッション雑誌、ブランドのショーやLOOKBOOK、広告に出演。2019年にはパリコレクションにも出演。趣味は写真、ギター、歌、映画や舞台観賞。現在は俳優としても活躍の場を広げている。2023年には東京芸術劇場にて舞台「再生」に出演。

X: @Tsugumi_donna
Instagram: @tsugumi_jp

思い描く、好きな動物との未来。発見したのは“人間っぽさ”への関心

「バケットリストを書きませんか?」というお誘いが来た頃、ちょうど自分の考えを書き出すことって大事だなと思っていたんです。最近は好きなものやその日感じたことをたくさん言葉にして、SNS上で私の“体温”のようなものを伝えるようにしていて。そしたら「Tsugumiちゃんも自分と同じ人間で嬉しい」というようなコメントをファンの方からたくさんいただけたんです。

写真や映像だとクールに見えることが多いけど、私の内面は想像以上に人間っぽいから、もっとみんなに知ってほしくなった。そんな中だから、自分のやりたいことや好きなものバケットリストという形に残すのにもぴったりなタイミングでした。

まず思いついたのが、大好きな動物に関すること。私、水族館や動物園に何時間でもいられるんです。最近は爬虫類にも興味があるので、いつかトカゲやリクガメがいるカフェにも行ってみたいな。

絶対に叶えたいのは、幼い頃から大好きなイルカと一緒に泳ぐこと。流線型のフォルムが美しくて、楽しそうに泳ぐところも癒される。以前、イルカショーの舞台裏でボール投げの練習をしている子を見つけた時は、その健気さに泣きそうになりました。静岡県の下田海中水族館にある「ふれあいの海」で一緒に泳げるらしいので、早く足を運んでみたいです。

あとはミーアキャットと暮らしたい。動画などで見ていると直立不動なイメージがあるけど、実物は“小さいおじさん”みたいなんですよ。以前見かけた子は一日中だらしない姿勢で太陽を眺めていて。そんな平和でマイペースな生き物と生活したらきっと楽しいですよね。もしかしたら私にとって“人間っぽさ”という言葉がキーワードなのかもしれません。

お笑いとホラー。2つに通ずる“様式美”への憧れ

私の“好き”を語る上で欠かせないのがお笑いです。まずやってみたいのは、普段からラジオを聴いている空気階段の2人に挟まれて写真を撮られること。スラっとした水川かたまりさんとマスコットのような鈴木もぐらさんの間に背が高い私が入ったら化学反応が生まれると思うんです(単純に私がその並びを見たいというのもあるのですが笑)。

私が以前からSNSで発信し続けているのが、なかやまきんに君さんのチェキ会に参加したいということ。実際のところはまだ開催されてないのですが、絶対にいつかは一緒に写真を撮ってもらいたいんです。彼はいつでも持ち前の“パワー”で必ず笑顔にさせてくれる存在。特にラジオ番組の『三四郎のオールナイトニッポン0』にゲストで登場する回は、落ち込んだときにたくさん救われましたから。

そうそう、“笑い”繋がりで言えばコメディ映画も大好き。『大洗にも星はふるなり』『明烏』などの福田雄一監督作品から、『ラヂオの時間』『ザ・マジックアワー』などの三谷幸喜作品、海外のドタバタコメディ映画まで、数え切れないほど見ましたね。だからコメディ映画に出演するのも夢です。やってみたいのは、主人公たちの厄介ごとによく分からないまま巻き込まれる役。どのコメディ映画でも笑わせてくれる“美味しい”存在だと思うんです。

ちなみに、ホラー映画に出演するのも目標。「私が様子見てくるよ」と言って最初に殺される定番のお調子者役をやりたいですね。私は様式美の一端を担いたいのだと思います。そう考えると“フリ”と“オチ”があって成り立つコメディ映画も同じですよね。

いつも側にいて、救ってくれた。音楽とのこれから

バケットリストを書いていて気づいたのは、私は過去に救ってくれたものに関わりたくなるということ。だから昔から聴いている音楽にも、いろいろな形で携わりたい。最近はギターの弾き語りに挑戦しているので、いずれはライブで歌ってみたいですね。それを聴いて同じように救われる人がいたら、これ以上嬉しいことはないです。

あとはサザンオールスターズや玉置浩二、Mr.Children、宇多田ヒカル、東京事変といった“レジェンド”のライブを生で聴きたい。幼い頃から日常に根付いていた音楽たちなので、きっとどの曲が演奏されても「昔、あんなことをしていた時に流れていたな」と懐かしくなったあとに、「同じ曲を今、未来の私が聴いているんだな」と感慨深さに浸れるはずです。

音楽関係の目標でもう一つ。中学生時代から聴いている銀杏BOYZのCDジャケットになることです。どの作品にも魅力的な女の子が写っていて、私もいつかはその一人になってみたい。銀杏BOYZの魅力は、思春期特有の漠然とした悩みや望みを包み隠さず歌ってくれること。その“丸裸”な姿勢に憧れ続けているから、今、私はSNSで自分らしさを発信できているのかもしれません。私を構成する最も大きな存在とも言えるので、この夢が叶ったら“人生丸儲け”ですね。

インドから世界一のジェットコースターまで。旅を夢想する楽しさ

行きたい場所がどんどん思いつくのも発見でした。すぐに実現できそうな目標でいうと、スマホの待ち受けにするくらい大好きなドラマ『SPEC』の舞台にもなった大田区の中華料理屋「虎」に行くこと。主人公の当麻と瀬文がよく訪れていたお店です。“茹で5 焼き5 にんにく増量”と注文して、無心で餃子を掻き込むあのシーンを再現したいですね。

あとはインドやタイ、台湾にもいつか訪れてみたい。これはアジアの屋台料理を淡々と映した『今日ヤバい奴に会った』というYouTubeチャンネルを毎日のように見ている影響ですね。「現地で実際に味わってみたい」と好奇心がどんどん高まっていくのでぜひ見てみてください。

一生に一度は、世界一怖いジェットコースターにも乗りたい。ロサンゼルスの「シックス・フラッグス」という遊園地にある「キンダ・カ」はギネスブックに載ったこともあるらしくて興味があります。私は乗る前にしっかり怖気づくタイプなので、きっと誰よりもその魅力を堪能できると思いますね。

あれも、これも欲しい。憧れの一着と向き合う至福のひと時

お金のことを考えなくていいので、手に入れたいものもたくさん浮かんできます。

真っ先に思いついたのはメゾンマルジェラの「グラムスラム」を買うこと。ふわふわな雲をバッグにしたようなデザインがとっても可愛いんです。50万円くらいするのですが、「とびきりいい仕事ができたぞ」と自分を褒めたくなった時に思い切って購入したいですね。

グッチが2019年のリゾートコレクションで手がけたドレスにも、一度は袖を通したい。漆黒の生地が使われていて、胸の辺りに肋骨の形にビジューがあしらわれているんです。ゴシックな雰囲気とちょっぴりのホラー要素が混ざり合ったデザインが、ため息をつきたなるほど素敵。もし誰かが手に入れていたとしても、処分されない限り地球上に存在しているはずなので、いつか巡り合えたらいいな。

夢中になって書いたら、気づけばバケットリストは便箋4枚分に。一番の発見は「私ってこんなに強欲だったんだ」ということでした。でも、自分の“欲しい”や“したい”ととことん向き合う作業は楽しいし、そうしてできあがったバケットリストは当たり前だけど私らしくて、何度でも見返したくなりますね。

自分自身の愛し方と、最高の人生の幕引き

実は私、すごくネガティブな性格なんです。悩むほどではないことでも大きな課題と捉えてしまうし、自己分析したら欠点ばかり見つけてしまう。でも、それが自分自信を傷つける行為だと気づいたんです。だからバケットリストには自分のことをもっと大切にしたいとも書きました。

今は意識して自分の長所にも目を向けるようになって、毎日鏡を見ながら「私、めっちゃいい女じゃん」って口に出すようにしているんです。そんな日々を続ければ、この目標は意外と早く叶うかもしれませんね。

最近は一日が終わる時に友達と「いい日だったね、ありがとう」と言い合うこともあって、少しずつポジティブになれている気がします。人生の終わりにも、同じように「いい人生だったね、ありがとう」と言えたら、きっと最高の幕引きですよね。

Slide 3
Slide 0
Slide 1
Slide 2
Slide 3
Slide 0

Edit&Text:山梨幸輝
Photo:倉島水生

author's articles
author's articles

author
https://d22ci7zvokjsqt.cloudfront.net/wp-content/uploads/2024/02/141.jpeg

編集者/ライター
山梨幸輝

編集者/ライター。大学時代にファッションブランド・writtenafterwardsでのインターンを経験し、卒業後にフリーランスとして活動を開始。雑誌やWEBメディアでの執筆や編集、ブランドのカタログ制作などを行う。
more article
media
「Art Culture Street.vol.4」でYUUKIが伝えたかったこと
エンタメ
date 2024/10/10