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JR山手線「御徒町」駅あたり

アクリルアーティスト・KAEとクリエイティブさんぽ

author: KAEdate: 2025/08/16

職業の数だけ“つい目がいく”光景あり。

「クリエイティブさんぽ」は、クリエイターや職人、研究者など、さまざまな専門分野を持つ人が好きなエリアを散策し、独自の視点で気になった場所を紹介してもらう連載企画。読んだ後にちょっとだけ視野が広がるかもしれない、未知の仕事への理解が深まるかもしれない、そんなレポートをお楽しみあれ。

8回目にさんぽしてくれたのは、アクリルアーティストのKAEさん。

KAE

1984年生まれ。文化服装学院を卒業後、2006年よりアクリル板をメイン素材とした創作活動を開始。気分があがるようなカラフルな色彩を用いたポップさと、世の中の混沌さを交えたシュールさをデザインのテーマに掲げている。アートや装飾品のほかオリジナルデザインのパーツを用いたワークショップも開催。様々なジャンルでのコラボレーションも展開している。

Instagram:@kae_acrylic
X:@highme_kae

色彩豊かな下町で見つける、ノスタルジックな看板と“狙ってない風景”

アクリル作家のKAEです。東京を拠点にアクリル板を加工した作品を制作しています。日頃から気になった場所を撮影し、作品に反映させることもしばしば。

歴史を感じるレトロな街並みやアクリル看板が好きなので、今回は下町情緒を感じる御徒町周辺をお散歩することに。そこには雑踏や日常に生まれる「狙ってない風景」がたくさんありました。

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蒸し暑い気候の中で結露する水槽を縦横無尽に泳ぐフグたち。曇ったガラスが偶然生み出したノイズがお気に入りの一枚。

駅前の喫茶店にて一休み。滝川クリステルの声で脳内再生。「おしぼり」表記じゃないのもあるんだなあ。

アイスコーヒーにフレッシュミルクをゆっくり垂らすと、ゆっくり浮き上がるマーブル模様。作品にたまに使用しているマーブル柄のアクリルを連想します。

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「カアフェ」表記と「ロッキー」の鋭角&角丸ミックスフォントにグッときます。アクリル板を重ねたレイヤー構造の手の込んだ看板。

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ビビッドな配色のアクリル看板。こちらはレイヤー構造ではなくプリント仕様。

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おそらく70年代ごろのものと推測できるレトロ看板。ところどころ電球が切れているけど今でも交換品はあるのでしょうか。

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落ち着いた住宅街で遭遇した詳細不明のワクワクゾーン。下には2色刷りのサンリオキャラたちがせっせとリボンを運んでいました(かわいい)。

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好きなメニューしか書いてなくて最高。天ぷらも揚げたて。蕎麦屋のカレーだいすき。

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異国情緒漂う看板。ちょうどゲリラ豪雨のタイミングだったこともあり、情緒増し増し。今でも現役で人気のある創業70年のホテルでした。

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色褪せたステッカーがボムられたトイレ看板。某寿司チェーンの社長にも見えます。

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レイヤー構造のアクリル看板。「たばこ」のフォントも良き。昔のアクリル看板は薄めの2mm材の仕様が多い気がします。

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「おしゃれの店」。どんなラインナップの品揃えなのか気になります。しかもおそらく2号店。Part1はどこにあるのだろう。

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とある飲食店の地層のようにデザインされた壁面。部分的に花柄が彫刻されており芸術的。

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ジオメトリックでカラフルな立方体キューブ柄の外壁。古着屋でこんな柄のワンピースが売ってそうです。

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偶然の産物。様々なマテリアルのブルーたちが集結。

花と灰皿の色を眺めていると、なぜかアジアの風が香ります。こういう花柄の服は商店街のブティックで見つけられる。

かわいい動物大集合。特にアヒルに強い意志を感じる。

こういうタバコの看板って減ったよなあ。色褪せた「KENT」のブルーがノスタルジック。

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様々なフォントが入り混じる一角。鮮やかなグリーンが映えるアクリル看板も素敵。最近、思い立って書道のお稽古に通い始めたので、さらに書体に目がいくようになりました。

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昼から吸い込まれそうな暖簾。メニューの羅列を眺めているだけで心踊る。

ビビッドなオレンジタイルとブルーの柱のコントラストがよき。

持ち手のデザインにレトロフューチャーを感じる。よく見ると一癖あるデザインがたまりません。

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すっかり見る機会が減ってしまった突き出し型の玄関灯。

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祖母の家ではデフォルトだった型板ガラス。製造当時の1960年代中盤ごろには大手メーカーがこぞっていろいろな柄を手がけていたそうです。

さんぽしたのは「御徒町」駅の周辺だけだったのですが、それでも発見がたくさんあって楽しかったです。昭和~平成初期を感じる街並みを眺めていると幼少期の思い出が蘇ったり、当時にタイムスリップしたような気持ちに。アクリル看板や気になる景色を見てたくさんインプットできたので、その片鱗漂う作品がこれから生まれると思います。ありがとうございました!

Text:KAE
Edit:山梨幸輝


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KAE

1984年生まれ。文化服装学院を卒業後、2006年よりアクリル板をメイン素材とした創作活動を開始。気分があがるようなカラフルな色彩を用いたポップさと、世の中の混沌さを交えたシュールさをデザインのテーマに掲げている。アートや装飾品のほかオリジナルデザインのパーツを用いたワークショップも開催。様々なジャンルでのコラボレーションも展開している。
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