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EVとカーシェアをまとめて体験

Honda eってホントにeのか、eの島まで行ってみた。

author: 村田 尚之date: 2021/07/22

 EV(電気自動車)やカーシェアリングという言葉もすっかりお馴染みになった今日、「実際にEVって使えるの?」「カーシェアって便利なの?」という個人的な疑問を解くべく、ちょっとした用事に合せて、まとめて挑戦してみました。

 乗ったのは2020年10月に発売された「Honda e」で、借りたのはホンダのカーシェアリングサービス「Every Go」です。

 Honda eを選んだのは、愛らしいカタチに惹かれたから。そしてEvery Goにしたのは、月額の基本料金が掛からない手軽さから。Honda eを購入する場合はベースグレードで451万円(税込)、上位グレードのAdvanceは495万円(税込)ですが、国による補助金の対象となるので、実際は50万円程度安くなります。もちろん購入ともなれば勇気のいる金額ですし、生産台数に限りがあるため、期間を区切ったオーダー方式となっています。

 ということで、免許証とクレジットカードを用意して、Every Goに登録します。情報の入力などは10分ほどで完了、審査も含めて当日中に利用可能となりました。早速、Honda eを検索しますが、現在のところ関東近郊と愛知、大阪、福岡で借りられるようです。そして、webから6時間を予約しましたが、気になる料金は4800円。車種により利用プランは異なりますが、Honda eの場合は平日なら15分200円で距離料金は掛からず、これ以上ないほどの明朗会計です。

走りは快適、カーシェアは?

 当日は最寄りである世田谷のEvery Go野沢店ステーションで8時にクルマをピックアップ、逗子で用事があるのでeの島、いや江の島を経由する往復120kmほどのドライブとしました。

 さて、予約したHonda e Advanceですが、一充電走行距離はカタログデータ(WLTCモード)で259km。デビュー直後にちょっとだけ触れたことがありますが、その際は97%程度の充電量で200km前後と表示されていました。今回は借り出し時の残量40%で充電をスタート、120kmほどの道のりなので、残量80%前後で充電を切り上げましたが、驚いたのは充電の早さ。実質20分ほどで85%まで回復、航続可能距離も157kmと表示されたので、いざ出発です。

 第一印象はやっぱり静かだな、ということ。またドアミラーをカメラにより映像化したサイドカメラミラーシステムほか、5つのモニターがダッシュボードに並ぶワイドビジョンインストルメントパネルなど、見た目の斬新さや楽しさも魅力と言えるでしょう。

出発から30分ほど、空いている駒沢通り、第三京浜を抜けて横浜横須賀道路に入りますが、この時点でバッテリー残量は70%、航続距離は133kmを示しています。EVユーザーからは「高速道路を飛ばすと思いのほか電気食うんだよね…」という声も聞かれますが、あまり気にせず、流れに乗って進みます。そして、エアコンも出発時からオンのままです。

 朝比奈インターで横浜横須賀道路を降り、峠道を抜けて鎌倉の市街地を目指しますが、走りでイイなと感じたのは上り下りが続く、ちょっとしたワインディングロード。Honda eはフロア下にバッテリーを収めており、モーターは車体後部に搭載するリア駆動です。そんなメカニズムの効果でしょうか、つづら折りのコーナーでも、不意なアクセルのオン·オフでもクルマの動きが乱れるようなことはありません。見た目こそキュートですが、峠道の乗り味や立ち振る舞いはちょっぴり大人という印象です。

 そして出発から1時間、海沿いのカフェでひと休みしますが、この時点でバッテリー残量は61%、航続距離は134kmの標示です。実際の走行距離は51kmほどなので、予想より優秀でした。

朝食と昼食を兼ねて、コーヒーとホットドックでひと息ついた後は用事の時間まで余裕があるので、江の島へと向かいましょう。若干混み始めた国道134号線を西に進み、30分ほどで江の島に到着。バンザイこそしませんでしたが、Honda eでeの島という第一の目的は達成です。くだらないダジャレで恐縮ですが、目的地があったほうがドライブは楽しいですしね。そして、続いて同行した妻の用事がある逗子へと向かいます。若干、渋滞の影響もあり、江の島出発時の残量は58%、航続距離は116kmです。

 鎌倉の裏山と市街地は狭い道が続きますがキビキビとした身のこなしも心地イイですし、小回りも利くので難なくクリア。見た目はシンプルですが、しっとりと体をホールドしてくれるシートもじつに快適です。そして、あっさり逗子に到着、妻の所用も1時間ほどで完了です。

出発前にメーターを見るとバッテリー残量は49%、航続距離は95kmを表示しています。世田谷までは50kmほどですから、十分ではありますが、この時点で返却時間まで1時間半というところ。ちょっとだけ心配になりましたが、まずは出発して様子をうかがうことにしましょう。

 道路は相変わらずほぼ順調に流れており、スタートから40分ほどで第三京浜に入ります。バッテリー残量は33%、航続距離は57kmを示しており、ステーションまでは残り20kmほど。出発時に充電が必要だったことを除けば、順調にドライブを続けてきましたが、いよいよ充電するか、このまま進むか決断の時です。

 今回は”普段使いはどうなの?”というテーマなので、迷うことなく充電器のある都筑パーキングに滑り込みます。先客もいなかったので、すぐに充電をスタートしますが、この時点でのバッテリー残量は27%、航続距離は50kmです。充電時間は30分と表示されたので、トイレを済ませて、パーキングのカフェでひと息つきます。そして、ここでスマホからEvery Goの会員ページをチェック、利用時間を1時間延長しました。こちらも15分/200円単位で延長可能なので、不安なときは早めに延長したほうが良さそうです。

 20分ほどして様子を見に戻ると、予想より充電が進んでいました。若干、道も混み始めているので、そこで切り上げてステーションを目指します。そして、毎度のバッテリー残量ですが75%、航続距離は139kmです。かろうじて渋滞には巻き込まれることなく、20分ほどで世田谷は環七沿いのステーションに到着。この間の距離は14キロですが、返却時は残量67%、航続距離124kmとなっていましたから、表示はなかなか正確で、信頼できると言えるでしょう。ということで、ステーションで少々充電して無事に返却となりました。

 さて、筆者個人の感想としては、Honda eは見た目に違わぬ愛いヤツという印象でした。

 そして、肝心なカーシェアってどうなの?という点ですが、これはライフスタイルに大きく依存するな、というのが偽らざる感想です。利用するのがガソリン車やハイブリッド車で、クルマを使うのも月に数回、走る距離も50kmから150km程度であれば、所有するよりも圧倒的に経済的と言えるでしょう。

一方でHonda eは実用上、そして精神衛生上も不安なく走れる航続距離は150キロほど。15分から20分程度の継ぎ足し充電でもバッテリー残量は十分に回復しますが、その時間やひと手間が面倒という人もいるでしょうし、目的地までのおおよその距離も想像しないといけません。また、残り時間を考慮して、余裕を持ったスケジュール設定も必要になります。とはいえ、Every Goは車種に関わらず平日は15分単位で利用できますし、月額利用料が掛からないのは大いなるメリットに違いありません。

なんで自動車メーカーがカーシェアを?

さて、実際にカーシェアを体験してみると、いくつかの疑問も生じました。まず最大の疑問は自動車メーカーがなぜカーシェアを始めたのか、ということです。そこでホンダに質問をぶつけてみました…。

 回答としては「都市部でクルマ離れが進んでいることから、気軽にHonda車を利用できるサービスを提供して、Honda車に触れてもらう機会を作ろうと考えました。これをきっかけに興味、関心を持ってくださるお客さまを増やしたいと考えています」とのこと。

 また、Honda eをラインナップに加えた理由としては「より多くの方にHonda eにお乗りいただき、Hondaの先進性や技術的なチャレンジを体感いただくことで、弊社に興味や関心を持っていただくきっかけにしたいと考えました。また、Honda eをラインナップに加えることで、Every Goの認知度も高めていきたいという思いもあります」と続けます。

 なるほど、筆者もHonda eってカワイイし、借りることができるなら、ちょっと乗ってみたいと思ったわけですから、思惑どおりなのかもしれません。そしてホンダの担当者は今後の展開についても語ります。

「交通事業者やアウトドア関連企業など他社との連携を強化して、利便性を高め、用途を拡げることで、より多くのお客さまにご利用いただきたいです。一例としては2021年3月からはシェアサイクルのCharichari、およびHELLO CYCLINGとのアプリ連携を開始しています。また、カインズの”わんクォール”や、アウトドアレンタルの “hinataレンタル”と共同キャンペーンを実施して、ユーザー層の拡大を目指しています。今後も「EveryGo x  〇〇〇」というスタイルで、カーシェア利用用途の拡大を図っていきたいですね」と、他社とのコラボも積極的に行っていくそうです。

今回は話題のEVに乗ってみたい、そしてカーシェアって実際どうなの、がテーマでしたが、結論としてはいずれも想像より身近で気軽な存在でした。EVの賛否、カーシェアの使い勝手ともご意見はあるかと思いますが、まずは一度、ご自身で体験してみてはいかがでしょうか。

Honda Every Go


村田 尚之

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フリーランスライター・フォトグラファー
村田 尚之

1970年、東京生まれ。学生時代から雑誌の編集に携わる。自動車専門誌やメーカー広報誌などを手掛ける編集プロダクションを経て、2002年にフリーランスライター・フォトグラファーとして独立。クルマや旅客機、鉄道など乗り物関連の専門誌やニュースサイトを中心に執筆・撮影。「旅客機・エアライン検定公式テキスト」(徳間書店刊)、「ANAの本。」(誠文堂新光社刊)など、書籍制作にも参加。