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「志」を旗頭に、新たな価値を量産する

ワクワクが止まらない仲間たち

author: 長島 聡date: 2022/06/16

前職の経営コンサルティングでは、仲間企業という取り組みに力を入れていた。独自の素晴らしい能力を持った企業を見つけては、社長を口説いて、仲間に加わって頂いていた。私が会社を卒業する頃には、仲間企業は15社くらいまで増えていたと思う。仲間企業の能力と、自社の能力とを組み合わせて挑戦した様々なプロジェクトは、とても刺激的だったのを覚えている。無数のプロジェクトで培ってきた型のようなものにはとらわれず、自由な発想でクライアントと真剣に向き合うことができたと思う。

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こうした仲間企業との共創を成功に導いた鍵は、志のようなものだったと思う。閉塞感を打ち破り、未来を創り出す。効率化ではなく、新しい価値や新たな成長の柱を創り出す。こんな想いを仲間企業と共にして、プロジェクトに没頭していた。予定調和的なプロジェクトとは異なり、途中でハラハラすることも多くあったが、クライアントを巻き込むポジティブな力で、ゴールまで走り切ることができた。とても貴重な経験の連続だったのは間違いない。

現在、起業してから約2年経つが、幸運にもすでに多くの凄腕の仲間と出会うことができている。まずは街づくりの匠だ。柔らかな物腰で何もかも包み込んでくれる。一緒にいるだけで心地よくなっていく。そんな方だ。周りには街を大事にする強い気持ちを持った方々が集まり、自然と経済を回す力が生まれている。もちろん、合理的な方法論もしっかり持っているのだが、人を巻き込む力と、ブレないマネタイズの姿勢が魅力的だ。新しいものに対しても、とてもアンテナが高く、これはと感じたものはどんどん活動に取り込んでいく。

いま取り組んでいるものだけでも、文化観光や伝統芸能の振興、地域通貨での経済活性化、土地固有の商品やツアーの造成など、面白いテーマが目白押しだ。そして、それぞれのテーマごとに、凄腕の人材とつながっていく。街づくりの匠との仕事は、未知の領域への広がりと、これまで全く知り得なかった人との出会いをくれる。地方から、そして地方の固有の文化から、日本を盛り上げていきたい。そんな気持ちにさせてくれる。本社を京都に決めたときには全く想像もしてなかったが、面白い展開が起きてきた。

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次の匠は、40歳くらいの共同経営者の2人だ。大手企業の役員でもあるが、新規事業子会社での共同代表としての挑戦が素晴らしいと思う。何よりも意思決定が凄まじく早い。自分のやりたいこと、自分が大事にすることが明確に定まっているからこそできる凄技だ。

おそらく、ニュースなどを見る際も、「受け取る」のではなく、「探しにいく」というスタンスだと思う。常に、自分のやりたいことに「何か役立ちそうなことはないだろうか」という積極性に満ちているのだ。ちょっとした会話の中からも、何かを見出して、やりたいことのアップデートや宝探しをしているのだろう。

ここまで話すと、少し猪突猛進のようにも感じるかもしれないが、二人いることで絶妙なバランスが取れている。どちらかが熱くなれば、どちらかが冷静になる。どちらかがアイディアを出せば、もう片方がそこに更なるアイディアを加えるか、別のアイディアを出す。それから何より好きなのは、二人が共通に持つ「仲間と共に成長したい」という意志だ。「いまあるパイを奪いにいく」という感覚はなく、「新たなパイを仲間と一緒に創り出す」という強い意志がある。これは、これからの企業経営者にとって不可欠となる感覚だと思う。二人と共に歩んでいくのは楽しみで仕方がない。

次は、異常な数のアイディアを持つスタートアップの社長だ。普通、スタートアップといえば、あるひとつのサービスを懸命に作り、それをなんとかして世に出そうとするのが常だ。この社長は、そんな感覚は微塵もない。思わず動きたくなる、思わず買いたくなるものを創り出すのが好きだ。衝動を生み出すために、こだわるところはこだわりまくり、極めていく。頭の回転が速く、瞬時に良し悪しを判断する。次の瞬間には発展系や領域のピポットにも頭が回る。

何より、話しているときが魅力的だ。目を輝かせ、確信的で、凄まじい速度で話す。先天的に人を惹きつける魅力を備えているのかもしれない。実際、極めて高い能力を持った人たちとの共創が広がっている。大企業の役員に「あいつは面白いな」と言われ、社内には独自な能力を持った人たちが集まってきている。このスピードで経験を積んでいったら、そして色々な失敗もしていったら、凄まじい経営者になるに違いないと思わせてくれる。これからも並走していきたいと感じている。

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あ、忘れてはいけない。きづきアーキテクトにもユニークな能力を持った人材がいる。ひとりは、頭は固いが、芯が強いガジェット好き。いまは田舎町に住み込み、新しい社会インフラづくりに力を注いでいる。迷いながらも強い意志で一歩一歩進んでいる。独自の仲間も増え始め、いよいよ活動が本格化しそうだ。もうひとりは熱い心をもった武道家。なんでも圧倒的なエネルギーで突き進んでいく。人が好きで、色々な人とのつながりを大事に生きている。一つひとつの活動を自らの糧に、武器に取り込み、常にパワーアップしていく。全く異なる二人がとても面白い。

まだまだ、たくさんの出会いがあった。人間味のあるAIスタートアップの社長、お金の流通速度にこだわる地域通貨を創った社長、コミュニティづくりに没頭している若者など、いまも増え続けている。でも常に思うのは、私自身が生きてきた、経験してきた世界が極めて狭いこと。未知の世界がまだまだたくさんあることだ。それだけでなく、そうした世界の人々と出会うのがとても楽しいことだ。これは、経験してみて初めてわかることかもしれないが、いまとなっては間違いないと実感している。

さらに、いまの世の中には、こうした感覚を持った人が増えてきたと感じている。色々な人たちや色々な能力との交わりを求めている人が増殖していると思う。そして、当然だが、そうした人たちには、そうした仲間がたくさんいる。要は、狭い世界でみんな繋がっている。繋がっていなくても、すぐに繋がりが生まれていく世界だ。初めは私もおっかなびっくりだった。でも目を輝かせて飛び込んでしまえば、すぐにワクワクの世界が広がっていく。

同じ環境で育った「似ている仲間」の中にいるのではなく、個性が際立つ場所に自分から出向いていく。そうすればいくらでも面白い日常が待っている。さあ、志を持って、新しい日常に踏み出そう!

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きづきアーキテクト代表
長島 聡

早稲田大学理工学部にて材料工学を専攻し、各務記念材料技術研究所(旧・材料技術研究所)にて助手として、研究に携わるとともに教鞭も執る。欧州最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーに参画し、東京オフィス代表、グローバル共同代表を務める。2020年には、きづきアーキテクトを設立。「志を旗頭に得意技を集め、新たな価値を量産する」をコンセプトに、共創を梃子にした事業創出の加速化を目指す。経済産業省、中小企業政策審議会専門委員など政府関係委員を歴任。スタートアップ企業、中小企業のアドバイザー、産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト WG3 産業構造転換分野 委員、Digital Architecture Design Center アドバイザリーボード、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任教授などを務める。
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