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「志」を旗頭に、新たな価値を量産する

根っこを持って、供給者としても、社会に貢献しよう!

author: 長島 聡date: 2022/03/07

社会に良い事で満足を得たい! 今年始めに行われた日経MJの調査では、そんな結果が話題になった。価格が高くなったり、不自由になったりしても、自らの消費行動を通じて社会の課題解決に貢献したい。そう思う人は、ミレニアル世代では、貢献しなくてよいという人とほぼ同じ割合だったが、Z世代では貢献したいと思う人が、貢献しなくてよいという人を大きく上回った。

そうした姿に引っ張られたこともあってか、日本では社会全体でのSDGsが次第に進展してきたように思える。実際、あるSDGsに関するテレビの特集を見ていたら、日本人のSDGsに対する認知や意識は、最先端を走る欧州には届かないまでも、今後の進展に大きな可能性を感じられる高さだと感じた。一方で、少しはがゆさも感じた。もしこうしたZ世代の力が、消費側のみならず、供給側にも活用されたら、これまでの常識には捉われない新しい課題やその独創的な解決方法が生まれるのではないかと思ってしまう。

SDGsの達成度・進捗状況に関する国際レポートを見てみると、昨年の日本のSDGs達成度は世界165カ国中18位である。上位は北欧の国々で、欧州の多くの国も日本より上位にランクインしている。レポートであげられている日本の課題は、男女格差、貧富の差、化石燃料等、生物多様性、金融秘密度など、多岐に亘る。

こうした課題は、これまでの企業活動の長い営みの中で定着してしまった「日常」だ。企業は熾烈な競争を勝ち抜くことに集中する中で、しっかりと向き合う事ができてこなかった課題なのだと思う。当たり前だが、こうした日常を築いてきた人々が責任を持って変えていかなくてはならない。でも、自分達が培ってきたものを否定して、ありたい姿に向けてゼロベースで進んでいくことはそう簡単ではない。そこで出番になるのが若い世代だと思う。若い世代なら純粋かつ合理的に、ありたい姿に進んでいけるはずだ。

そのためには、若い世代が供給者にならなければならない。もちろん、自らの消費行動を通じて供給者を選択する、供給者の感覚を変えていくというアプローチも間違いなく素晴らしいものだ。でも、もう一歩踏み込んで、供給者側に立って自らの手で変えていく挑戦をして欲しいと思う。その方が、圧倒的に速いスピードで物事を進められる可能性がある。少なくともふたつのアプローチがある。

まずは、いわゆる意識の高い大きな企業に入って、その企業の持つこれまでのアセットをフルに使って大きく始める取り組みである。しっかりと利益を出している企業の新規事業創出を目的とした子会社などに入るという手があると思う。もうひとつは自分で小さく始めるスタートアップとしての取り組みだ。何人かの仲間で、共通の目的・パーパスを持って進んでいけば良い。ただ、これらは共に、「言うは易し、行うは難し」だ。誰にでも簡単にできることではない。

ではどうすれば良いか。無謀とも感じるかもしれないが、お薦めは「両方やる」だ。もちろん、同時に両方を立ち上げる必要はない。どちらかから始めるのが良いと思う。どちらの立場でもいいので、まずは、色々なところに顔を出し始めれば良い。スタートアップであれば、資金的には大変だが、その自由度は確実にある。大企業の子会社の場合でも、本気で素早い新規事業創出を志向しているのであれば、自由度はもらえるはずだ。

その際、自分が何で社会に貢献したいかを言語化しておく事が大事だ。さらに、自分の実現したい事に照らすと、自分でできることはここで、できない部分を補完してくれる人を探していると話せると、一気に仲間が増える。ここで注目したいのは、自分があった人だけが仲間になるわけではないことだ。共感した仲間には、それぞれに仲間がいる。そうした仲間とも繋がることができるのである。

兼業や副業などの制度も使いながら案件ごとに立場を変えることに挑戦しても良い。スタートアップの経営陣が大企業のアドバイザーになるケースもある。こうなってくれば、スタートアップの立場だろうが、大企業の子会社の立場だろうが、あまり関係がなくなってくる。スタートアップなら機動力があり意思決定が速い。大企業の子会社なら資金的な余裕がある。そのくらいの違いだ。もちろん足元の収入の差、安定性など、違いを見つけようと思えばいくらでも見つかるが、それぞれの立場でそれぞれの能力を発揮してくれる仲間を持つことが、なによりも重要なことが分かるはずだ。

自分の実現したいことと、「根っこ」が同じものを持っている多種多様な業種や能力の人を、常に探して、仲間として共に歩み続けることだと思う。「顔を出す」ということすら苦手な人もいるだろう。そんな人のためには、昔で言う「お節介な人」がいる。「つなぐこと」が好きで、仲間が増えていくのをみるのが好きな人だ。「根っこ」が同じで、「つなぐ」という特殊能力を持った人と仲間になれば、こうした悩みは一気に解消すると思う。そうだ、足りなければ、なんでも仲間に力を貸して貰えばいいのだ。

有難いことに、私自身、現在20弱の立場で活動を行なっている。多くは仲間の構想を実現するために貢献したいという気持ちからだ。これまで培ってきた構想力や課題解決力で、なにか役立てないかと常に思っている。ただ、「どんなテーマでもやります」と言うことはない。私の持つ「根っこ」と同じ「根っこ」を持つ活動に絞っている。私の「根っこ」は、「賑わい」だ。

社会に賑わいを生み出すことは、未来の社会にとって必須なことではあるが、それだけが大事なわけではない。でも「賑わい」に没頭したいと考えている。賑わいを生むために必要な要素はとてつもなく多様だ。もちろん、自らが仲間と共に創業した会社でも、賑わいを生む社会インフラづくりを始めているところだが、賑わいのゴールにはまったく届かない。大企業、中小企業、まちの商店、スタートアップ、住民などをつなぐ取り組みを進めたいと思っている。今すでにあるものを束ねることで、今ある仲間の活動をつなぐことで、賑わいは増幅できる。時間の調整、情報の伝え方を少し変えるだけでも効果は的面だ。

社会や文化。これらは今生きている人々が育むものだ。特にこれから長く生きていく若者にとっては、自らが育んでいくことの重要性は高い。中高年も諦めていないと思う。自分の能力を活かして社会や文化に貢献したいと思っている人はかなり多い。言葉は変だが、どんどん使って欲しいと思う。共感する「根っこ」を見せて貰えば、できる限りのことをやるはずだ。やりたいと思う。さあ、周りにぴかぴかの能力がたくさんある。それらを使って、仲間と共に、社会に自らの「根っこ」を実装する供給者になって欲しいと思う。SDGsも負けてられない。日本なりのやり方で、北欧に追いつけ、追い越せだ!


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きづきアーキテクト代表
長島 聡

早稲田大学理工学部にて材料工学を専攻し、各務記念材料技術研究所(旧・材料技術研究所)にて助手として、研究に携わるとともに教鞭も執る。欧州最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーに参画し、東京オフィス代表、グローバル共同代表を務める。2020年には、きづきアーキテクトを設立。「志を旗頭に得意技を集め、新たな価値を量産する」をコンセプトに、共創を梃子にした事業創出の加速化を目指す。経済産業省、中小企業政策審議会専門委員など政府関係委員を歴任。スタートアップ企業、中小企業のアドバイザー、産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト WG3 産業構造転換分野 委員、Digital Architecture Design Center アドバイザリーボード、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任教授などを務める。
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