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カスタムもできる、シュアの「AONIC 215」

iPhoneユーザーに推したい、じゃないほうのワイヤレスイヤホン

author: 山本 敦date: 2021/10/25

以前、友人にアップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」を選んだ理由を聞いたところ、「スマホがiPhoneだからAirPodsが一番いいんだと思った」という答えが返ってきました。iPhoneによくマッチするワイヤレスイヤホンが本当はほかにもたくさんあるということを、今回はお伝えしたいと思っています。

イヤホン選びは3つのポイントに注目

AirPods以外にも、本当に自分の期待に合うイヤホンを見つけるためにはどこに着目するとよいのでしょうか。いま特に人気の左右独立型・完全ワイヤレスイヤホンの上手な選び方を例に考えてみましょう。

定番アップル「AirPods」よりも自分に合うワイヤレスイヤホンの見つけ方を考えてみましょう。

音楽リスニングがメインの方は、自分の好みに合う「音質」を探し当てましょう。AirPodsのサウンドはよく言えばクセがなく自然でニュートラルですが、今はもっとボーカルを活き活きと聴かせたり、ふくよかな低音をぐいぐいと引き出す個性的なサウンドのイヤホンが沢山あります。もし近々、イヤホンが試聴できるショップに足を運ぶ機会があれば、ほんの数機種だけでも聴き比べてみることをおすすめします。たった数機種でも「音に違い」があることがわかって興味がわくはずだからです。

音質の違いはあまり気にならないという方は、「デザイン」に惹かれたイヤホンを選ぶのもアリです。今のところAirPodsのカラバリは"ホワイト一択“なので、何となく味気なく感じませんか? 耳もとを鮮やかに彩るカラフルなジュエリーみたいなイヤホンも探せば山ほど見つかります。映えるイヤホンを身に着ければ気分もあがります。

スポーツをしながらBGM代わりに音楽を聴きたい方には、本体を防水・防滴仕様としているイヤホンが最適です。アップルの製品はノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Proが防滴対応です。ダンスやスケートボードなど、全身を激しく動かすスポーツで汗を流しながら音楽を聴きたい方は、耳にフックをかけて装着するイヤホンは装着感がさらに安定することを覚えておきましょう。

シュアは音楽制作ツールのプロフェッショナル

今回は筆者が最近試してとても良かった完全ワイヤレスイヤホンの新製品から、アメリカのSHURE(シュア)というブランドの「AONIC(エイオニック) 215」を紹介します。

シュアの左右独立型完全ワイヤレスイヤホン「AONIC 215」。

シュアは間もなく創業100周年を迎えるアメリカの老舗です。同社のルーツであるマイクロフォンはアメリカのロックスター、エルビス・プレスリーの活躍を支えたことでも知られています。グラミー賞のステージやオリンピックの競技会場などにもシュアのマイクが採用されてきました。

コンシューマー向けイヤホンの歴史は2004年に始まります。筆者もさんざん使い倒してきた同社のイヤホン「SEシリーズ」は、イヤホン本体をケーブルから着脱できる仕様が当時とても画期的でした。「ケーブル交換」は断線による故障を解決するための手段としてだけでなく、イヤホンの音質やルックスをカスタマイズして遊ぶための手段として脚光を浴びて、瞬く間にポータブルオーディオのいち文化として定着しました。シュアは当時、ケーブル交換という「文化」を生むきっかけを作ったブランドのひとつだと思います。

特にシュアのイヤホンが採用するMMCXという同軸タイプのコネクタを、その後も多くのケーブル交換に対応する製品が搭載したことから、現在ではハイエンドからエントリー向けまでケーブル交換ができるイヤホン・ヘッドホンがあります。

ケーブル交換ができるイヤホン「AONIC 215」

2020年秋に、シュアは初のケーブル交換ができる左右独立型完全ワイヤレスイヤホン「AONIC 215」を発売しました。

一見するとト音記号やおたまじゃくしのようなルックスのワイヤレスレシーバーには、シュアが独自に設計したヘッドホンアンプのほかにバッテリー、通話用のマイクなどが内蔵されています。

レシーバーの先端には、2011年に発売されたシュアの大ヒットモデルである「SE 215」をベースにした着脱交換ができるイヤホンが装着されています。カラーバリエーションはクリアに輝くブルーとブラックの2色から選べます。

レシーバーはIPX4相当の防滴対応なので、音楽を聴きながらスポーツで汗を流したい場面に最適です。耳の外側にかけるイヤーフック形状の本体は耳にしっかりとグリップします。体を激しく動かしてみても振り落とされる気配すらありません。

イヤーフックを耳に掛けると装着感が抜群に安定します。レシーバーにはバッテリーやリモコン、通話用マイクなどが搭載されています。

耳栓タイプのイヤーチップで装着するため、遮音性能がとても高く、音楽再生やハンズフリー通話に集中ができます。本体に内蔵するマイクで環境音が聞ける「外音取り込み機能」も搭載しているので、外を歩きながらでも音楽をより安全に聴けました。

本体の側面にはボタン式リモコンを内蔵しています。例えばペアリングしているスマホをバッグやポケットから取り出さなくても曲送り操作が軽快にできます。音量のアップダウンがイヤホンから操作できる機能はAirPodsにはありません。

iOS/Android対応のモバイルアプリ「ShurePlus PLAY」。外音取り込みの量を調節したり、プリセットからカスタマイズもできるイコライザー機能を搭載しています。

色んなカスタマイズを試してみよう

AONIC 215のイヤホンは黒いBluetoothレシーバーの部分と着脱交換ができます。BluetoothレシーバーにMMCXコネクタを搭載するイヤホンを「完全ワイヤレスイヤホン化」できるところも本機の大きな魅力です。一部同じMMCXコネクタのイヤホンであっても、AONIC 215のレシーバーに装着できないものもあるのでご注意ください。

例えば同じシュアのイヤホン「AONIC 3」に交換してみました。形状がスリムなので、耳穴の小さい方も快適なフィット感が得られるイヤホンです。パワフルで温かみのあるAONIC 215の音質に対して、AONIC 3は解像度が高くクリア。見晴らしの広い音場を描いてみせました。シュアの「SE 846」はイヤホンマニア垂涎のハイエンドイヤホンですが、AONIC 215のBluetoothレシーバーにつなぐと、SE 845のリアリティ豊かなサウンドはそのままに、携帯性の高い完全ワイヤレスイヤホンに早変わりします。Bluetoothレシーバーは「RMCE-TW2」として単品でも販売されます。Bluetoothレシーバーにはシュアが独自に設計したパワフルなヘッドホンアンプが搭載されているので、どんなイヤホンを組み合わせた場合でも軽々とその実力を引き出してくれます。

(左)スリムな筐体、クリアなサウンドが特徴の「AONIC 3」を装着。(中)フラグシップイヤホン「SE 846」も完全ワイヤレスイヤホンに早変わり。(右)シュアが2011年に発売した銘機「SE535 Special Edition」にも交換可能。

最近は販売価格が1万円台どころか、5,000円台を切る安価な完全ワイヤレスイヤホンが増えました。2万円台前後のAirPodsは高くて手が出ないからと言って、値頃感だけを重視して買ったイヤホンはすぐに不満を感じたり、飽きてくるかもしれません。シュアのAONIC 215は約3万円と高価ですが、ケーブル交換などを遊び尽くして元が取れるイヤホンです。もちろん本機のほかにもAirPodsに負けない魅力的なイヤホンが沢山あるので、また折に触れながらご紹介したいと思います。

製品貸与:シュア・ジャパン

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スマートエレクトロニクス・ライター
山本 敦

オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はオーディオ・ビジュアルからIoT、ウェアラブルまでスマートエレクトロニクスを幅広くカバー。ヘッドホン・イヤホンは毎年300を超える新製品に体当たり中。国内・海外スタートアップの製品やサービスを多く取材、開発者の声を聞くインタビューなどもしています。
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