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東京・浅草寺に過去110年の名車が大集結!

アストンマーティンが超高級車&ヴィンテージカーの魅力を次世代へ継承する

author: 曽宮岳大date: 2024/02/19

英国の超ラグジュアリーブランドとして名を馳せるアストンマーティンが、ブランド110周年を祝うイベント「アストンマーティン アルカディア 東京 2023」を浅草寺を舞台に開催した。会場には英国の老舗スポーツカーメーカーが110年の歴史の中で生み出した70台以上の新旧モデルが集められた。

メーカーとオーナーが両輪となって実現したイベント

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クルマの世界では、古いモデルほど希少価値が上がるため、見られる機会は少なくなる。その点、このイベントはアストンマーティンや歴史的価値の高いヴィンテージカーの魅力を次世代に伝えるという意味でも大きな意義がありそうだ。会場にはアストンマーティンオーナーや自動車愛好家、大勢の来場者が集まり賑わった。

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アストンマーティン アルカディア 東京の模様。ちなみにアルカディアとは、古代ギリシャ語で理想郷を意味するという

こうした歴代の名車がズラリと揃うイベントは、メーカーの保有車だけで実現するのは難しく、ヴィンテージカーを所有するオーナーの協力が不可欠となる。その点、日本の自動車ユーザーは、モノを大事にする気質も相まって、クルマをコツコツとメンテナンスしながら、より良い状態に仕上げていく、熱心な自動車愛好家が多いことで知られている。結果、ヴィンテージカーの世界では、日本にある車両は非常に程度がいいと好評のようだ。

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アストンマーティン DBシリーズ

実際、アストンマーティン アルカディア 東京の展示車両も、大部分は日本のユーザーの所有車であるとのこと。メーカーとオーナーが手を取り合って実現したイベントであり、オーナー自身もブランドの作品や歴史を後世に伝える重要な役割を担っているのだ。

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コンクールデレガンスの審査員を務めた方々。一番左はカーデザイナーの中村史郎氏。二番目はカーデザイナーの奥山清行(ケン・オクヤマ)氏。右のお二方はアストンマーティン・ラゴンダ社 ヒストリアのスティーヴ・ワディンガム氏とアストンマーティン ヘリテージトラストのギャリー・テイラー氏

ボンドカーから最新モデルまで集結

それでは会場に集まった車両の一部を紹介しよう。

アストンマーティンといえば、ジェームズ・ボンドの映画『007』を思い浮かべる人が多いだろう。劇中に登場したボンドカー「DB5」はあまりにも有名だが、そのDB5ももちろん展示されていた。1963年に誕生したDB5は誕生60周年を迎えた。

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“ボンドカー”として有名なアストンマーティンDB5。

このほか1940年台のレーシングカーで、アジアにわずか1台しか存在しないという「スピードモデル タイプC LMF385」がひと際存在感を放っていた。アストンマーティンといえば、超豪華スポーツモデルのイメージが強いが、創業時はモータースポーツ車両を開発していた。そうした出自を思い起こさせてくれる1台だ。なお、同モデルは、コンクールデレガンスで審査員の満場一致で「Best in Show」を獲得した。

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アストンマーティンスピードモデル タイプC LMF385。コンクールデレガンスでは「Best in Show」を獲得した

由緒正しいヴィンテージモデルと同時に、近年のモデルも数多く展示されていた。フォーミュラカーとGTカーが融合したようなデザインを持つ「ヴァルキリー」は、見るからにパフォーマンスが高そうなフォルムが印象的。6.5リッターV12エンジンにモーターを組み合わせたパワートレインは、最高出力1140psという浮世離れしたパワーを誇る。

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アストンマーティン ヴァルキリー。最高出力はなんと1140ps。一般的な乗用車の10倍にも及ぶ

少量生産だからこそ成せる技術力を発揮して実現した美しいオープン2シーターボディを持つ「DBR22」。運転席と助手席の後ろに位置するツインナセル(コブ状のふくらみ)は、往年のレーシングモデルを彷彿とさせるもの。目の前には視界を遮るものが何もなく、走る喜びを五感で楽しめるスポーツカーだ。

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アストンマーティン DBR22

「ヴェラ」や「DB12ヴォランテ」がアジア初公開

会場では、最新の「Valour(ヴァラー)」や「DB12ヴォランテ」がアジア初公開された。ヴァラーは70~80年代に生み出されたモデルにインスピレーションを得たデザインを採用しており、モダンさのなかにもどこか懐かしい雰囲気を漂わす。

715psを生み出す強力な5.2リッターV12エンジンに、マニュアルトランスミッションが組み合わされているのも注目に値するところだ。ちなみにヴァラーは世界110台限定で販売され、2億円以上とも言われるプライスにもかかわらず、受注と同時に完売したという。アストンマーティンが世界中の熱烈なファンに支持されている証拠だろう。

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アストンマーティン ヴァラー

DB12ヴォランテは、現代アストンマーティンの最新版といった趣で、美しさとパフォーマンス、クラフトマンシップが凝縮されている。680馬力の4リッターV8エンジンを搭載しており、325km/hというスーパーカーにふさわしい最高速を誇る。こちらも会場で羨望の眼差しを集めていた。

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日本初公開となるDB12ヴォランテ

会場には、アストンマーティンF1マシンのレプリカも展示され、浅草寺とF1という異色の組み合わせを実現していた。こうした普段あり得ないような景色が見られるのも、アストンマーティン アルカディア東京ならではの魅力だ。

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アストンマーティンF1のレプリカも展示

アストンマーティン級のモデルとなると、各モデルの生産台数が限られ、その希少性ゆえに古いモデルを維持するのは容易ではないはず。それにもかかわらず、アストンマーティン アルカディア 東京では、100年近く前のモデルから最新モデルまで、新旧の作品が一堂に会し、その景色は圧巻だった。

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アストンマーティンとトヨタのコラボ作といえるアストンマーティン シグネット

聞くところによると、1400年の歴史を持つ浅草寺の境内に自動車が展示されたのは、今回が初とのこと。それがアストンマーティンの輝かしい歴史と、日本のアストンマーティン オーナーの方々のクルマ愛が重なり合って実現したと考えると感慨深い。アストンマーティン アルカディア東京は、ブランドの過去から現在、そして英国と日本の繋がりを感じられるイベントとして、訪れた多くの人の記憶に刻まれたのではないだろうか。

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エディター・ビデオグラファー
曽宮岳大

16歳のときにカリフォルニアで自動車免許を取得。自動車雑誌『LE VOLANT』の編集者からメディアの仕事を始め、以後、『Driving Future』『webCG』などのwebサイトでは動画コンテンツにも着手。独立して2017年に株式会社フレズノを立ち上げ、企業やメディアのコンテンツ・映像制作に取り組む。乗り物、カメラ、ガジェット、水泳好き。Beyondではクリエイティブディレクターを担当。
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