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Column

耳ディグvol.1

「騒がしい日々への処方箋」Homecomings 福富優樹

author: 福富 優樹(Homecomings)date: 2023/11/30

CDからサブスクへ、ラジカセからスマートフォンへ。聴くフォーマットやツールは変わっても、いつの時代も私たちに寄り添ってくれるのが、音楽やラジオなどの音声コンテンツ。「耳ディグ」と題し、気になるあの人のお耳のお供を“digる”本連載。
 

第1回に登場するのは、4ピースバンド・Homecomingsのギターと作詞を担当する福富優樹さん。Homecomingsとしてラジオ番組「RUSHMORE SUNDAY」を持つ彼は、昔から大のラジオ好き。そんな彼が愛する6つの“騒がしい日々への処方箋”的コンテンツ。


Homecomings

畳野彩加(Vo./Gt.)、福田穂那美(Ba./Cho)、石田成美(Dr./Cho) 、福富優樹(Gt.)からなる4ピースバンド。これまで3枚のアルバムをリリースし、台湾やイギリスなどでの海外ツアーや、5度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。心地よいメロディに、日常のなかにある細やかな描写を紡ぐような歌詞が色を添え、耽美でどこか懐かしさを感じさせる歌声が聞く人の耳に寄り添う音楽で支持を広げている。

2021年春IRORI Recordsよりメジャーデビュー、2023年最新作となるメジャー2ndアルバム『New Neighbors』をリリース。

Instagram:
@fukutomimurray(個人)
@_homecomings_(バンド)
X
@pizzaplanet_hom(個人)
@homcomi(バンド)
Youtube: @HomecomingsCH

 

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お風呂に浸かりながら社会を知れる「Call If You Need Me」

BROTHER SUN SISTER MOONのベースボーカル・惠愛由(めぐみ あゆ)と、Laura day romanceのボーカル・井上花月(いのうえ かづき)のポッドキャスト番組。

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友達がSNSでリポストしていたのがきっかけで聴き始めたポッドキャスト。「ケア」をテーマに話したり、フェミニズムについて話したりしているんですが、そういう大事な内容を砕けた会話のなかで聴けるのがすごく良くて。ちょうどその頃、フェミニズムに関する本を読んでいたのと、コロナ禍で人と会えない時期だったので、あの頃の僕にとってすごく意味のある存在でした。

「勉強になる」って言い方はあまり好きじゃないんですが、2人が“だらん”って話している心地よい温度感のなかで社会的なことを知れるのはすごく良いし、2人の音楽が好きで聴き始めたリスナーが自然とそういうことに興味を持てるのは、同じミュージシャンとしても素敵やなって。僕は2人と友達なんですが、そうじゃなかったとしても、寝る前とかお風呂に浸かりながらとか何気なく聴ける心地よい番組だと思います。

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みんなを励ます金曜の便り「OVER THE SUN」

コラムニスト&作詞家のジェーン・スーと、フリーアナウンサーの堀井美香のポッドキャスト番組。毎週金曜日午後5時に配信予定。

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公式本も出版されているし、今や「ポッドキャストといえばこれ」という感じもありますが、そういう存在になれていることがそもそも素敵やなって思います。毎週金曜日に配信されていて、番組の初めに「みなさん、よくぞ金曜日までたどり着きました」みたいなセリフを言うんですが、その言葉に励まされている人がめちゃくちゃいっぱいいるんやろなって。基本的に2人で話している番組なんですが、聴いていると「2人がいて自分がいる」というよりも、「2人がいて、自分以外にも聴いている人がたくさんいる」っていう“横のつながり”を不思議とすごく感じます。

ジェンダーや年齢問わず、いろんな人の大事な存在になっている番組だと思うので、何かしらの理由で社会とつながる機会が少なくなってしまった人が「外へつながるための一つのきっかけ」にもなる気がします。現時点で150以上のエピソードがあるので、まだ聴いたことのない人は入口として公式本を読んで、最新回から聴いていくのもいいのかもしれません。

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ラジオならではの面白さを教えてくれる「アルコ&ピース D.C.GARAGE」&「三四郎のオールナイトニッポン0 (ZERO)」

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お笑いコンビ・アルコ&ピースの酒井健太、平子祐希がパーソナリティを務めるラジオ番組。

お笑いコンビ・三四郎の小宮浩信、相田周二がパーソナリティを務めるラジオ番組。

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この2つは、僕がラジオにハマるきっかけになった番組です。元々はお笑いといったらテレビ番組かDVDで楽しむって感じだったんですが、2015年にラジオ番組の存在を知って聴いてみたら、めちゃくちゃ面白くて。当時、アルコ&ピースはオールナイトニッポンをやっていて、そこからずっと聴いています。

お笑いって映像だと周りを巻き込んで壮大なコントをするパターンが多いと思うんですが、この2つはただただ雑談していたり、独自の悪ふざけみたいなノリがあったりして、「リスナーと一緒に向かっていく」感じがすごく新鮮で。「こんなのあるんや」と思って、それからほかのラジオ番組も聴くようになりました。それまでは音楽番組を聴いていたので、ラジオに対してスタイリッシュなイメージを持っていたんです。でも、この2つに出会ってからは、それとはまた違うラジオの魅力を知りました。

どちらも深夜番組なので、普段言わへんような話題も出てきて、独自のノリが生まれていくんですよね(笑)。でも、それが内にこもりすぎていない感じも良くて。アルコ&ピースのおふたりは、自分たちの“ダメなところ”を自覚して話してる感じとかも面白くて、最高やなって思って聴いてます。

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ハイパーポップの新たな幕開け『i care so much that i dont care at all』(glaive)

ノースカロライナ州を拠点にするシンガーソングライター・Ash Gutierrezによるプロジェクト・glaiveが2023年7月14日にリリースしたアルバム。

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これはリリースされてからずっと聴いてる作品。glaiveはポップパンク、オルタナティヴロック、エモラップとか、自分の好きなジャンルを全部ぐしゃってしてそれを最新の形に昇華しているところが自分にしっくりくるし、めちゃくちゃ好きなんです。

僕は今年の春くらいまでアルバムの制作期間に入っていたんですが、「昔自分が好きだった音楽を再定義する」みたいな感覚で作っていたので、中高生の時に好きだった音楽ばっかり聴いていたんです。でも、それが続きすぎて良くないなと思っていたタイミングで、このアルバムがリリースされて。聴いてみたら今の自分に“ズシッ”ときました。ハイパーポップ的な要素を無邪気に集めて作っているのに、出来上がったものはある意味スタンダードなポップロックって感じがめっちゃ最高です。

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眠れない夜に「Lifetime」(Romy from The xx)

The xxのギターボーカル・Romyのソロ作品。2020年9月30日リリース。

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僕は去年少し不眠症気味で、眠れないときによくハウスを聴いていたんです。ハウスのビート感と一定のリズムがちょっとずつ眠りの方に引っ張ってくれる感じがして、ちょうどよくて。これはそのとき聴いていた中の1曲。

もちろんThe xxも好きなんですが、Romyは「The xxのメンバー」という感じではなく、一人のミュージシャンとしてめっちゃ好きでよく聴いています。そんなRomyが「FUJIROCK FESTIVAL'23」にソロで出演して、初めて生でこの曲を聴けました。これまで一人で眠りにつく前に聴いていたので、家以外の場所で、しかも大音量で聴けたのがすごくうれしくて。音楽体験としてめちゃくちゃ大きい思い出になりました。

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福富さんにとっての音声コンテンツは、日常と共にあるもの

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福富さんは「AirPods Pro」を愛用中

ラジオやポッドキャスト、音楽などは、家事をしながら聴くことが多いです。特にご飯を作っているときは映像を観られないので、よく聴いています。あと僕は満員電車がとても苦手で、音楽ではどうしようもないってときでも、ラジオやポッドキャストだと気が楽になるので聴いています。なので、音声コンテンツは「生活と一緒にある」感じがすごくしますね。

あと、バンドで「RUSHMORE SUNDAY」というラジオ番組をやっているのですが、そこは「自分を表現する場所」として大きな存在になっている気がします。僕は昔、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がやっていたラジオ番組「MOTHER MUSIC RECORDS 〜Over Drive」を聴いて新しい音楽に出会ったりしていたんですが、アジカンがそうしてくれたことで、今の僕たちが生まれたと思うんです。だから、僕らのラジオが誰かにとってのそういう存在になれたらうれしいです。僕らが新しくできることというと、そこにフェミニズムなどの社会的な話題をのせることだと思うので、自分たちなりのアップデートをしながら今後も続けていきたいです。


Information
RUSHMORE SUNDAY(ラシュモアサンデー)

DJ:Homecomings
ラジオ局:α-STATION FM京都
放送日時:毎週日曜日15:00-16:00
X:@ALPHA_RUSHMOR


LIVE Information
「Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? December.10 Yokohama Osanbashi Hall」

日時:2023年12月10日(日)開場16:00 開演17:00
出演:Homecomings
会場:横浜・大さん橋ホール
チケット(前売り):一般¥4,800/学割¥3,300(全席指定)
詳細:https://homecomings.jp/live/1619/

Edit&Text:那須凪瑳


author
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ミュージシャン
福富 優樹(Homecomings)

畳野彩加(Vo./Gt.)、福田穂那美(Ba./Cho)、石田成美(Dr./Cho) 、福富優樹(Gt.)からなる4ピースバンド・Homecomingsのギター。これまで3枚のアルバムをリリースし、台湾やイギリスなどでの海外ツアーや、5度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。心地よいメロディに、日常のなかにある細やかな描写を紡ぐような歌詞が色を添え、耽美でどこか懐かしさを感じさせる歌声が聞く人の耳に寄り添う音楽で支持を広げている。
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