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Column

Z世代のアドベンチャー(冒険者)たちに捧ぐ

山田Gの「大人の社会見学」vol.5:メンズ脱毛(前編)

author: 山田ゴメスdate: 2022/08/28

還暦間際のベテランライターが老体に鞭打ちながらも「考えるな! 感じろ!」と自身を奮い立たせ、あらゆるジャンルの「新しい経験」にチャレンジ! そこで得た感動と成長を、Z世代の「Beyond」読者諸君にもお伝えすることを旨とする体験ルポ型の本連載──第5回目は、いまやどの世代の男子も興味津々…とのウワサな「メンズ脱毛」のなかでも、一番お手軽かつ低価格とされている「ワックス脱毛」だ!

「もはや男の脱毛は当たり前!」

そんな時代であるらしい。「脱毛 男」のキーワードでインターネット検索してみると、

「全身脱毛で快適ライフ!」
「濃い体毛がセックスアピールだったのは昔の話…」
「毛量を減らして清潔感をキープ!」

……なんて風に、まるで(髪の毛以外の)すべての毛を親の仇のごとく敵視する扇情的な宣伝文句がネット上を席巻している。ホンの2〜3年前までは「自然体」として50年近く濃いめな体毛をポジティブに放置し続けてきたこのわたしも、そんな怒涛のオルグを受け、徐々に“思想転向”を余儀なくされはじめてきている。

そっか、ボーボーはモテないのか……。

20代のころの著者近影。髪・ヒゲ・腕毛…と凄まじい毛量&謎のトランペット。

男性の脱毛願望は、最初にヒゲからはじまり、次に腕毛→足毛→脇毛・胸毛→股間まわり……の順番でどんどんエスカレートしていき、やがては全身ツルンツルン状態に……と、一種の依存性的な心理が発生する……らしい(※ヒゲOKの職場で働く者も例外ではない様子。昨今「ヒゲ男子」は徹底して若い女子からモテないのだ!)。

とくに、ヒゲ脱毛は施術直後の一定期間、アゴまわりが炎症を起こすこともしばしあるため、マスク着用や不要な外出自粛を余儀なくされてきたコロナ禍が逆に追い風となり、男性向けの脱毛クリニックやサロンは、軒並み右肩上がりの成長を続けているという。

こうした「脱毛バブル」のさなか、無料で脱毛施術を受けられる「体験取材」のオファーも幾度かいただいたことがある。けれど、わたしはそれらの本来なら超win-winなはずの依頼にずっと二の足を踏んでいた。理由は

・「けっこう痛い」という噂が怖かった(※今でも健康診断とかの採血の際、貧血を起こして倒れてしまうことがある)

・一度の施術ではツルンツルン状態にならない(=何度も通院しなければならない)

・「原則として人間の毛にムダはない」という生理学的根拠の薄い自説への執着(=“処理”してしまえば最後、精力や免疫力を一気に失ってしまうのではないか…という不安)

しかし! こんなわたしに「今さらの脱毛」を決意させた、とある決定的なきっかけがあったのだ!!

「料理」と「フサフサの腕毛」は属性が低い?

フリーランスの文筆業&イラストレーターという仕事柄、ヒゲに対する制限は一切なく、プラス年中ガングロで、ヒゲ剃りあともあまり目立たないわたしとしては、今さらヒゲをどうにかしようという気はない。

足毛も短パンさえ履かなければ隠せるし、脇毛は薄めで胸毛も案外(?)5本ほどしかない。チ◯毛だって、めっきり女性に見せる機会が激減したわたしにとって、一番“邪魔な毛”とはズバリ「腕毛」!

前腕部分だけの毛が濃い……というよりは、とにかく異様に長いのである(なぜか上腕には一本も生えていない)。前回の「高地ボクシングトレーニング」編に登場したスペックお化けのイケメン・Fクンは

「ゴメちゃんのとなりに座ったら…いつもふぁさっとした感触があってゾゾッとするのよ~」

……なるエピソードを、女子が混じる飲みの席とかで、わたしを貶めるための定番ネタとしている。

Fくんとの2ショット。ふぁさっとしてゾゾッとする…らしい。

「脱毛体験取材」をわたしにオススメしてくださっている某男性専用美容クリニックの女性広報さんも、はたして何人を分母にした調査なのかは不明だけれど、

「女子大生の8割以上がヒゲとムダ毛はNGなんですって!」

……と、ひっきりなしに脅しをかけてくる。

公私の場で知り合った20〜30代の女子何人かに、わたしの腕毛についての感想を聞かせてもらっても、

「う〜ん…まあ、アリなんぢゃないですかぁ???」

……と、どことなく歯切れが悪い。が、それでもまだ脱毛にトライするまでにはいたらなかった……いや、いたれなかった。

ところが! ある日のこと、三度のデートを重ねて地道に関係を温めてきたアラサー女子のN美ちゃんを、わたしの友人主催のBBQパーティに招待するといった、なかなかにエロティックな機会を得ることができた。しかし、そこでわたしが汗だくになりながら、牛肉の塊やら鮎やらタマネギやらトウモロコシを懸命に焼いている姿を見た彼女が、

「食事を扱う手が毛フサフサなのはアウトじゃね? ちょっと引いちゃったかも〜!」

……みたいなクレームを朗らかに入れてきたので、わたしは愕然とする。

とある料理教室に参加したときの写真。たしかにオムハヤシライスとフサフサの腕毛のコントラストは見た目の美観を大なり小なり損ねてはいる?

「じゃあ、どーすりゃいいのよ…?」

そう、ポツリ漏らしたところ、

「アタシが脱毛してあげよっか!?」

……ってことで、話がトントン拍子にまとまって……ついに「アラカンからの初脱毛」が実現してしまったのであった。

女子は悶え苦しんでいる姿を見るのが大好き?

その一週間後、N美ちゃんがわたしの自宅までやって来た。準備してくれたのは「ワックス脱毛」!

ドラッグストアでもインターネット通販でも気軽に購入できて、価格は2000円前後──ワックス(=ろう)を温めてから皮膚に塗り、数分冷まして噛んだチューインガムほどの硬さになったら毛並みと反対の方向へと力まかせにベリッとはがし取る、リーズナブルかつ、なかなかにワイルドで、原初的な脱毛法である。

脱毛用ワックス。

一度で一気に……は、あまりに痛そうだったので、「片腕3〜4回ずつくらいでチョビチョビやってください」と、N美ちゃんに嘆願する。

「いいの? 分けたら分けたで痛い時間は延びるだけだよ」

こう切り返してくるN美ちゃんの表情は心なしかニヤニヤとにやついている。

まずは、絡まりを防ぐため長すぎる毛を1センチほどまでカットする。

チョキチョキチョキチョキチョキチョキ…… 鋏を刻む音が無音の室内で不気味に響きわたる。景気付け(?)にマイケル・ジャクソンのベスト盤をApple Musicからチョイスし、Bluetoothで携帯スピーカーへと飛ばす。流れている曲はよりによって「スリラー」だ。

次に、ワックスを塗って、その上に専用のペーパーを貼り付け、Nちゃんはその隅っこを摘み、

「イッちゃっていい? イッちゃっていい?」

……と、わたしからすればまったく無意味なジラしプレイを満喫している。口角を上げながら一点(=ペーパー部分)を見つめる彼女の眼は、あきらかに喜気と狂気の光を孕んでいる。

「ベリッ!」
「◯△×凸~~~~~~~~~っ!!」  

赤ちゃんのように文字にも起こすことのできない悲鳴をあげる“アラカン”男子を目の当たりにしてN美ちゃんの眼は潤みを増していく。もしかして、いろんなとこが潤んでるんじゃないのか!?

早くもギブアップ状態となってしまったわたしは、彼女に普段のゴメスらしくない(?)ケンカ口調でこう詰め寄ってしまう。

「別に予告はナシでも良くなくない!?」

ヘンな日本語だ。

凄まじい抜けっぷり!

「なら、やめてもいいんだけど!」と、ぶんむくれるN美ちゃんは踵を返して玄関へと向かおうとする(※N美ちゃんはわりと短気な性格なのだ!)。

が、予想以上に無毛化してしまった「アフター」の箇所と「ビフォー」の箇所とのディテールは相当なまでに激しい。「ゴメン! もう絶対に文句は言わないから!!」と、約30歳年下の彼女に向かって土下座する。

なだめては持ち上げて……を繰り返し、やっとこさ“施術”が終了。他人の腕と見間違うほどのツルンツルンっぷりに、少なからずの感動をおぼえる。

時おり女性が「男の肉体的な萌えポイント」として挙げる「浮き出た血管」や「筋肉のスジ」も無毛のほうが断然目立つという事実にも気づくことができた。

左手はビフォー、右手がアフター。ツルンツルン!
完全ツルンツルン状態で清潔感もグンとUP!

近年、急速的に巷の“常識”となりつつある「ボーボーはモテないぞ!」説は、おそらく一過性のトレンドではなく、今後より主流度を増していくことだろう。

ただ、わたしが今回、あれほど拒絶していた脱毛にあえて踏み切った真の動機とは、

「(ワックス)脱毛を誘い文句にすれば、三段跳びで自宅に女子を連れ込むことができる」  

……といった法則に裏付けされたナンパ術的メリットのほうが、むしろデカかったりする。

そのとおり!「女子は男子が悶え苦しむ姿を見るのが大好物」なのであり、女子が抱く「SMへの潜在願望」を、もっとも健全かつ顕在的に満たしてあげられるプレイこそが自家製のワックス脱毛であり、しかも“永久”ではないがゆえ、何度だって同じ作戦が使用可能なのだ。

……なんて風などす黒い目論み(=下心)を胸に、約1ヶ月後

「また腕毛生えてきちゃったから、そろそろ二度目…お願いしてもいい?」

……と、N美ちゃんにLINEを送る。すると!

「面倒くさ〜い! やり方わかったでしょ? 次は自分でやって!」

……と、にべもなく断られてしまいました(泣)。そう! 女子というイキモノは飽きるのも早いのである。

前にも増した剛毛が、皮膚を盛り上げ“頭”を見せはじめてきている。さらに、その盛り上がった皮膚の一部は湿疹状態となって、赤く腫れている。かゆい……チクチクする……「自分でやって!」って言われても(泣)……一体どうすれば……??? そんな窮地に追い込まれたわたしのもとに、ありがたいタイミングで一艘の助け舟が!? 過去に幾度かオファーをくださっていた某美容クリニックからの、再三にわたる「脱毛体験ルポ」のお誘いであった。

次回につづく)


author

文筆家・イラストレーター
山田ゴメス

1962年大阪府生まれ。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するコラムニスト兼ライター&イラストレーター。『麗羅』(漫画原作・作画:三山のぼる/集英社)、『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版)、『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(菅原道仁共著/ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。特に身体を張った体験取材モノはメディアからも高い評価を得ている。2019年、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)カウンセラー資格取得。2020年、温泉マイスター取得。
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