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ジョニーさんの鞄のエンタメ学校

イノベーションの連続。時代に合わせて変化するカバンのカタチ

author: 難波敏史date: 2022/06/06

効率的にものを運ぶ、という点でカバン以上に便利なものはないだろう。あまりにも生活に馴染んでいるから普段から意識することはないけれど、改めて考えるとものすごい発明だ。では、いったいカバンが誕生したのはいつの時代だろうか? 残念ながらその問いに対する明確な資料は存在しない。存在するのはメソポタミア時代の壁画に描かれたハンドバッグのようなもの。そんな画期的な発明でありながら不思議なロマンも併せ持つカバンは、その時代のライフスタイルに合わせて、運ぶものやデザインを変えていく。今回はライフスタイルとともにイノベーションを起こし続けるカバンの歴史に触れてみたい。

ビジネスもカジュアルもリュックの時代

いま、流行っているカバンの形のひとつにリュックがある。街中を歩いていても学生からビジネスマンまで、さまざまな種類のリュックを背負っているのを見かけるだろう。しかし、ちょっと前まではスーツにリュックはNGとされてきた。その価値観はどうして変わったのだろうか?

それはみんながスマホを持つようになったからだ。スマホが普及して移動中も両手を自由に使いたいという需要が高まったわけだ。また震災をきっかけに、いざという時に両手が自由なことが重要だと気付かされたのもきっかけだろう。

このように近年のサラリーマンのカバンの変化はとても興味深い。僕が社会人になった35年前、周りを見るとサラリーマンはみんなメンズポーチ、いわゆるセカンドバッグ(クラッチバッグ)で出社している人が多かった。それもそのはず。スマホはないし、パソコンもない。仕事道具は会社に置いてあるわけだから、通勤時に大きなカバンは必要なかったのだ。

パソコンを持ち運ぶ時代

1998年くらいにラップトップパソコンが流行り出して、そこでエースジーンというブランドからパソコンを入れて持ち運べるカバンがデビューした。バッグにパソコンを収納する専用スペースが生まれたのだ。

その後、クールビズなどで仕事服がカジュアル化。ファッションの変化に合わせて、ノータイでボタンダウンのシャツに合わせやすいトートバッグがビジネスシーンでも流行、と変化していった。

そして、いまでは働く女性が増えたこともあって、ここ数年で女性のビジネスリュック需要が高まっている。カバンはその時代に合わせて変化していることが分かる事例だ。

 写真左から、車掌用鞄、ボストンバッグ、通学用肩掛け鞄

メソポタミア時代からカバンは存在した!?

生活に欠かせないカバン。当たり前のように存在する道具だが、意外と文献や資料が少ない。いつ頃誕生したのかという明確な時期は伝えられていないのだ。

世界最古の文明だとされているメソポタミア文明に関する資料に、ハッドバッグっぽいものを持った石像や石碑が発見されている。シュメール文明(メソポタミア文明の初期)の人々が描いたアヌンナキ(神々の集団)の姿にもカバンを持った状態で描かれるなど、ちょっと都市伝説的なロマンも感じる。

進化する交通手段に合わせて変化するカバンの形

もう少し近代の歴史を辿ると、移動手段の革命とリンクするようにカバンにも革命が起こっている。どういうことかと言うと、昔は主な移動手段として馬車が使われていた。馬車が使われるようになり人々は“旅”をするようになった。そこで、初めて旅行用のトランクを制作したのがルイ・ヴィトンだ。

その後、産業革命が起こり、人類は馬車から蒸気自動車や蒸気機関車へと移動手段を進化。さらに汽車、汽船が誕生したことで人類はより遠くに行けるようになり、長期間の移動が可能になる。そこで困るのが荷物の運搬だ。長期間を乗り物の上で過ごすため、日数に比例して荷物の量も増えてくるわけだ。

そうなると必然的にカバンのサイズも大型化する。箪笥サイズのワードローブ自体に車輪をつけて変化していったのだ。ただ、今度は飛行機が誕生した。そうしたら、今度は短期間で遠くにいけるようになったため、今度は荷物が小さくなってスーツケースという形になっていく。そして、これからは宇宙。どんなカバンが誕生するか楽しみだ。ちなみに唯一、宇宙空間を旅して月の石を持ち帰ったバッグブランドはゼロハリバートンである。

趣味とリンクしたカバンに注目

最近ではコロナ禍の影響もあって、趣味のカバンが増えたのも興味深い。アウトドアやキャンプ用のカバンだけでなく、釣りやゴルフもそう。ゴルフに関して、元々はゴルフブランドの製品が多かったけれど、ゼロハリバートンをはじめとして、多くのバッグブランドがゴルフ業界に参入している。

キャディバッグのように専門性の高いカバンは新規参入が難しいが、そこにバッグブランドが挑戦することで新たなイノベーションが起きるかもしれない。

僕がカバンの博物館の館長になって分かったのは、カバンの歴史は奥が深すぎるということ。最近では歴史に興味が沸いてしまって、世界史の勉強をしているほど。大河ドラマを見てても気になるのは「どんなカバン持ってるんだろ?」ってことばっかり見てしまう。カバン視点でみる歴史も面白い。

Text:宇田川雄一


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難波敏史

エース株式会社マーケティング本部マーケティング部次長、世界のカバン博物館館長、北九州市ひまわり大使。エース株式会社の広報として手腕を振るい、”ジョニー”の名で名物広報として業界内で知られる。
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