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自分だけのアイデアの種を集める

ビジュアル探索ツール「Pinterest」をビジネスに活用しよう!

author: 鈴木 朋子date: 2022/03/05

「Pinterest(ピンタレスト)」が注目されている。2022年1月、アプリに関する市場分析データを提供している米App Annieが発表した「モバイル市場年鑑 2022」では、ソーシャル部門でダウンロード数が9位にランクイン。2010年にサービスが開始され、2013年11月に日本語版がリリースされたビジュアル探索ツールがじわじわと人気になっているのだ。

「ネイルのデザインを探したい」「インテリアのヒントが欲しい」--そんなとき、Pinterestが活躍する。Pinterestの検索欄にキーワードを入れて検索してみよう。ユーザーが投稿(ピン)した画像が多数表示される。Pinterestは自然言語で検索できることが強みで、「赤いセーター」や「猫と暮らす家づくり」などのキーワードでもヒットする。

気に入った投稿をピンすると、自分のボードに保存できる。ボードは「腕時計」「改造車」など、カテゴリーに分けて作成できるため、気になったらどんどん保存していき、アイディアが欲しいときに開けばよい。Pinterestはユーザーの好みを機械学習していく。ピンしていくことで、より自分好みの情報が表示されるようになる。Pinterestを開けば、自分が欲しい情報が集まっているのだ。

画像を中心としたサービスという特性から、リリース当時は「Instagram」の類似サービスとして注目を集めた。しかし、ここまでの説明でおわかりのように、PinterestはSNSではない。Instagramの場合、自分に起きた出来事をシェアするが、Pinterestは自分が興味を持っているもの、これからチャレンジしたいものをピンする。つまり自分の未来に向けたサービスなのだ。

Pinterestが若者に注目される理由

PinterestのMAU(月間アクティブユーザー)は、世界で4億5000万人、国内のMAUは870万人だ。日本に関しては、前年比で1.6倍(米ニールセン2020年12月)となっており、人気が急上昇している。

Pinterestによると、グローバルでの新規ユーザー層はZ世代(18~24才)の増加率が高く、ミレニアル世代(25~44才)も増えている。

なぜ、若い世代の増加率が上がっているのか。その理由のひとつは、検索エンジンよりもSNSでの検索を日常的に利用しているからだ。特にInstagramはビジュアルで確認できるため、直感的に検索できる。例えば「チーズが溶けている料理が食べたい」と考えたとき、「#チーズ」で検索すれば、世界中の様々な料理の画像が表示される。その中でチーズが溶けている美味しそうな料理を選び、レストランやレシピを検索すればいい。このインスピレーションはテキストの検索では難しい。

Pinterestはビジュアルで検索することに特化したサービスのため、SNSより探しやすい。投稿されている画像や動画もアイディア探しに向いているものが多い。「チーズ」と検索すれば、おいしそうな料理の画像が並び、レシピ動画も表示される。さらに、検索のヒントとなるキーワードも表示されるため、組み合わせる素材を絞り込める。投稿によっては、ウェブ記事やショッピングサイトへのリンクが設定されているため、そのまま購入に進める。

そして、Pinterestはウインドウショッピングしているような楽しさも味わえる。気になった投稿をタップすれば、似ているピンが表示されるからだ。なんとなく眺めているうちに、当初は買う予定がなかった商品に出会えることがある。家にいながらにして新たな発想に気づける点は、コロナ禍で特に貴重だ。

アプリではクリエイターによる動画も閲覧できる
検索タブに表示されているおすすめは、日本のスタッフが作成している

Pinterestで知る次のトレンド

Pinterestを個人的に楽しむのもよいが、実はビジネスにも役立つ。Pinterestのニュースルームに発表される記事により、次のトレンドを知ることができるのだ。

2021年7月に公開された「Pinterest Predicts」には、2022年にインテリア、ビューティー、ファッション、フード、ウェルビーイング、旅行などのカテゴリにおいて「これから来るトレンド」が掲載されている。Pinterestで検索されたキーワードの上昇率に基づく予測だ。

昨年に引き続き公開された「Pinterest Predicts」

「Pinterest Predicts」は、世代別、カテゴリ別にトレンドを見ることができる。ここでは、キーワードの中から本誌読者が注目しそうなトレンドをピックアップして紹介する。なお、グローバルでの結果のため、日本のトレンドとは異なる可能性がある。

インテリアに関しては、Z世代が古代ギリシャに注目している。「女神 アフロディーテ 壁紙」が180%増、「古代ギリシャ 美」が65%増だ。また、Z世代以外はカーブしたソファやキッチンなどにも注目している。「アール壁 インテリア」が4倍増、「カーブソファ リビング」が3倍増となっている。

また、全世代においてカスタム車に注目が集まっている。「車中泊 diy カーテン」が36倍増、「車内 おしゃれ」が120%増、「改造車」が135%増となっている。

時計は「メンズ高級腕時計」が6倍増、「壁掛け時計 ビッグ」が7倍増。Pinterestによると、これまでにないほど時計に注目が集まっているとのことだ。

レディースファッションに関しては、パール(真珠)が注目だ。「真珠 ドレス」が3倍増、「メンズ パール ネックレス」が7倍増だ。また、パジャマをシルクにする人も増加中と推測されている。「部屋着のランジェリー」が96倍増、「シルク ナイトガウン」が8倍の増加だ。

そして、キラキラと輝かせるファッションもZ世代を中心に人気になりそうだ。「トゥース・ジェム(歯に付けるジュエリー)」が85%増、「ピアスの重ね付け」が3倍増、「ボディピアス ユニーク」が145%増となっている。

その他にも、意外な結果が提供されている。今後、日本国内にも流行が来るかもしれない。トレンドに関するビジネスをしている人は目を通しておくとよいだろう。

そして、Pinterestには企業が開設できる「ビジネスアカウント」がある。ビジネスアカウントは無料で開設することができ、インプレッション数やエンゲージメント数などのアナリティクスを参照できる。商品やサービスをビジュアルで惹きつけたい企業は、検討してみてはいかがだろうか。

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ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー
鈴木 朋子

SNSが専門でtoB、toCともに取材し、最新トレンドを常に追っている。身近なITに関する解説記事も執筆しており、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。スマホ安全アドバイザーとして、安全なIT活用をサポートする記事執筆や講演も行う。近著は「親が知らない子どものスマホ」(日経BP)、「親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)。著書は監修を含め、20冊を越える。
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