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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<冷蔵庫>

総論:大容量冷蔵庫は保存性能と「整理のしやすさ」がポイント

author: 石井和美date: 2021/08/30

まとめ買いをする方が増加しているので大容量モデルが大人気。しかも、断熱材などの進化により、数年前と比較すると同じサイズでも容量は増えており、たくさんの食材を保存できる。そんな中から、今回は注目の冷蔵庫5製品を比較した。各社が誇るハイエンドモデルで、それぞれ最新技術を搭載しており、どれも魅力的だった。一番大事なことは、特徴を把握してライフスタイルに合った製品を選ぶこと。しっかりチェックしよう。

東芝の冷蔵庫は使い勝手・性能共に優秀
他のモデルも独自機能がユニーク

1位:東芝「GR-T600FZ」

大型冷蔵庫の比較レビューは約2年ぶりとなるが、各社ユーザーの声を反映して「使いやすさ」を追求していたのが驚いた。特に工夫していたのは、東芝の冷蔵庫だ。上下にスライドするだけで簡単に高さを調節できる「フリードアポケット」やUSB給電ポート、冷凍室の仕切り板付き収納ケースも実用的で使いやすい。

また、鮮度保持の点でも成績がよく、チルド室の挽肉、野菜室の野菜、冷蔵室のハムはすべて高得点だった。湿度が高く、乾燥しにくい機構となっているので食材が長持ちしやすい反面、調味料などは少し水滴がつくこともあった。

野菜室がまん中にあり、たっぷり入るので、野菜をたくさん食べたい方にもおすすめしたい冷蔵庫だ。細かい使い勝手と性能面のどちらも優秀で、堂々の第一位となった。

2位:日立「R-HX54R」

日立の冷蔵庫は冷蔵室全体をチルド設定にできるのがうれしい。冷えた状態をキープし、自分で作った惣菜なども安心して保存しておける。また、飲み物はキンキンに冷えるため、夏場のビールやハイボールがとても美味しいのもポイント。また、最新モデルから最上段が低くなり、500mLサイズの飲み物を立てて入れられるようになった。調味料やドレッシングが扉に入りきらなくても、ここに入れられるので便利だ。

2位:三菱電機「MR-WXD60G」

三菱電機の冷蔵庫は全室独立構造で各部屋の温度管理を正確に行えることが強みだ。温度帯が豊富で、チルドや「氷点下ストッカーD A.I」、「切れちゃう瞬冷凍」で食材を凍らせなくてもそのまま調理できる。しかもAIで庫内の状況を見ながら制御できるようになったので、以前よりさらにきちんと温度管理が可能。たくさん購入しても小分けや解凍が面倒、という方は三菱電機の冷蔵庫がぴったりだ。

3位:パナソニック「NR-F607WPX」

パナソニックの冷蔵庫はIoTに力を入れている。重量検知ができる「ストックマネージャー」など、他にはないアイテムも付属。インターネット接続のハードルは少々高いが、IoTによる利便性を追求しており、さまざまな可能性を秘めている冷蔵庫だ。冷蔵室の最上段にコンプレッサーがあり、そのぶん冷凍室などが広いのも実用的で使いやすい。

3位:アクア「AQR-TZ51K」

アクアは他社とは全く異なるアプローチで、使い勝手が他社とは異なる。奥行きが狭い代わりに横幅が広い。そのため、食材の抜群に出し入れしやすかった。ただ野菜室は独立しておらず、冷蔵室の中に入っているので野菜好きには物足りなさも。冷凍室は広く引き出ししきで整理しやすく、コストコなどで大量に冷凍食品を買うような方におすすめだ。

特徴をつかんで
ライフスタイルに合った冷蔵庫を選ぶ

このようにさまざまなタイプの冷蔵庫があるので、何を重視すべきなのか、見極めてほしい。今回は東芝の冷蔵庫はバランスがよく1位という結果になったが、野菜室よりも冷凍室はまん中のほうが使いやすいという方もいるだろう。買い物する頻度やよく使う食材などに会わせて、最適な一台を見つけてほしい。

製品貸与:東芝ライフスタイル、日立、パナソニック、AQUA、三菱電機

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
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