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クルマを所有しない未来の「クルマのあり方」

バイクが空を飛びスポーツカーの車内は映画館に。ドバイで見た自動車の未来

author: 山根 康宏date: 2022/12/19

今から5年後、10年後の世界はどのように変わっているのだろうか? 振り返ってみれば今から10年前にもスマホはあったが、その使い方は大きく変わっている。電車の中でストリーミング配信される動画を見たり、食事中のショート動画を撮影してSNSでシェアしたりするなんて時代が来るとは10年前には想像もつかなかったことだ。つまりあと数年もすれば自分たちの日常生活も「そんなことあったね」という、遠い過去の話になるかもしれないのだ。

ドバイのイベントで未来を目の当たりにした

世界中のIT企業がさまざまな技術やサービスを開発し、それを世界各国で開かれる大型展示会で披露してくれる。2022年10月にアラブ首長国連邦のドバイで開催された中東地域最大のテクノロジーイベント「GITEX2022」の会場には、今からそう遠くない未来に実現されるだろう新しい技術が数多く展示されていた。

GITEXの会場にいると、今の日常生活が古く昔のものに思えるほどだった。今回は日常的に通勤や通学、買いものなどで使う交通機関が数年でどう変わるのか、ドバイで見た未来の姿を紹介しよう。

日本企業が牽引する「空飛ぶバイク」

GITEX2022で最も注目を集めていた展示が空飛ぶバイクだ。バイクが空を飛ぶなんてどうせ話だけだろうと思ってはいけない。A.L.I.Technologiesが開発した「XTURISMO」は実際に空を飛ぶデモが日本やアメリカで行われた。

なぜ日本かというと、同社は日本の企業なのである。世界初ともいえる空飛ぶバイクを実は日本の企業が開発していたのだ。しかも「テストしたけど販売は数年先」という夢の中に出てくる製品ではない。2022年中の販売を目指して開発・生産が進められていたが、おそらく2023年に限定台数が販売される予定なのだ。

日本企業が開発した「XTURISMO」

XTURISMOは大きな2つのプロペラと小型の4つのプロペラ、合計6つを回して浮上、空中を飛行できる。最高速度は100km/hとかなり速く、最大飛行時間は40分。理論上は67kmの距離を飛ぶことができる。たとえば渋谷から横浜の距離は約30kmなので、この区間の毎日の通勤にも使えてしまう。ただし大型プロペラはガソリン、小型プロペラは電気で動くため、毎日の給油や充電、そしてガソリン代、電気代はちょっと大変だ。

しかし渋滞知らずで空を飛びながら移動できるようになると、通勤・通学の概念が大きく変わる。なおXTURISMOの床面積サイズは乗用車とほぼ同じ。つまり移動中は空を飛び、地面に降りたときは既存の駐車場に駐機できるのである。これなら今すぐ使いたい、買いたいと思う人もいるだろう。

とはいえ、まだ空飛ぶバイクの免許は発行されていないため日本で使えるようになるには少し時間がかかりそうだ。また、車体価格は7700万円と高級外車レベル。だが10年もすればもうちょっと手が届きやすい価格になっているかもしれない。

乗用車サイズの駐車場に停められる。日本でも飛べる日がやってくるだろう

空中浮遊テストに成功した電動垂直離着陸機

空を飛ぶのは便利だけど自分で運転するのは面倒という人向けには、完全自動操縦される2人乗りの空飛ぶタクシーも展示されていた。EHangの2人乗り電動垂直離着陸機「EHang 216」は自動運転・操縦により操縦士不要で飛行することができる。操縦席にはタブレットが設置されており、そこから目的地を検索してインプット。あるいは自分のスマホで同じことをやってもいい。あとは乗り込みエンジンをかければ目的地に最適ルートで飛んでくれるのだ。

道路を走る自動運転車は歩行者やバイクとの衝突を避けたり、信号や工事中の道路でしっかり停止・迂回するといった状況判断が常に必要となる。一方、空を飛ぶのであればそれらの心配は不要になる。もちろんほかの飛行機との衝突の危険があるため、近場の空港の管制塔からの監視は必要だが、自動運転車よりも商用化は早いかもしれない。

この「EHang 216」はGITEXの会期中にドバイで空中浮遊テストに成功。すでに日本には取扱代理店があり、2025年の大阪万博でのフライトが目標として掲げられている。完全電動で飛行でき、バッテリーの満充電時間はわずか2時間。あと数年でエアタクシーを実際に日本で体験できるかもしれない。

2人乗りの自動操縦電動垂直離着陸機「EHang 216」

スマホで運転できる汎用型自動運転バス「Robobus」

空を飛ぶのはちょっと怖い、という人向けには低速で街中を自在に走る自動運転バスはどうだろうか。PIX Movingの「Robobus」は6人乗りの小型のバスだ。

運転速度は15km/h、最大でも30km/hなので常に安全運転で走行できる。車内は3人掛けのソファーが相対式に並んでおり、ハンドルやアクセルは一切なく運転の指示はスマホアプリで行われる。グループや会社で貸し切るのもいいだろう。ゲームやパーティー、あるいは会議を車内で行ないながら、気が付けば目的地まで自動運転で連れて行ってくれるのだ。

低速安全運転の「Robobus」

「Robobus」のような自動運転車はほかにもいくつもある。「Robobus」がそれらの自動車と異なるのは車体の下の部分、すなわちシャーシ、モーター、タイヤなどを含む足回りをプラットフォーム化し、さらに自動運転のプログラムも搭載し「Ultra-skateboard Chassis」として他社にも供与しているのだ。

つまり自動車メーカーのみならず、町工場レベルの企業が「ちょっと自動運転バスを作りたい」と思ったら、この「Ultra-skateboard Chassis」を買ってきて上回りだけを作ればいい。バスに限らず移動式のカフェやパン販売自動車を作るのもいいし、荷台だけにして運送車に仕立てるのも良さそうだ。「Robobus」はすでに一部の都市でテスト走行が行われており、数年もすれば日本でも工場や学校内などで利用されているだろう。

移動式のカフェ販売車にもできる

クルマを所有しない未来の「クルマのあり方」

自動運転は移動する人たちを「運転」から解放してくれる。テスラなど最新の電気自動車も自動運転に対応できるようだが、車内を見ればハンドルがありアクセルやブレーキもある。車内の大きなタブレット型ディスプレイを見るとカッコいいと思う人もいるかもしれないが、テスラのような車内インテリアは10年もすれば前世代の古めかしいデザインと思われるだろう。キャデラックが展示していたコンセプト自動運転車「InnerSpace Autonomous Concept」を見ると、10年後の自動車の「当たり前」の姿が見えてくる。

「InnerSpace Autonomous Concept」。近未来冠あふれるデザイン

左右のドアを開けるとルーフまでも開くという斬新な設計により、乗降時に身体をかがめる必要はない。車内には快適なシートが2つ並び、前面にあるのは巨大なモニターだけだ。自動運転中はこのモニターで映画を見たりゲームをしたり、あるいは家族や恋人とビデオ通話を楽しめるのだ。

もはや自分で自動車を動かす必要は一切ない。「InnerSpace Autonomous Concept」はコンセプトモデルなので実際には走行しないが、このようなインテリアがこれからの自動運転車では標準的なものになるだろう。

さて、このような自動運転車が当たり前になった時代には、もはや自動車も必要なときだけシェアするようになっているはずだ。自宅からスマホで車を呼び出せば、玄関の前まで自動で車がやってきて、車内に乗り込めば目的地までは好きなことができる。

しかも、レンタカーのようにわざわざ自動車を返却しに行く必要もない。目的地で降りれば、あとは勝手に近場のシェア駐車場まで自動で移動してくれるからだ。

つまり、車を運転しなくていいだけではなく、車を買うことすら必要ない時代が確実にやってくるのである。今は「自動車は高くて買えない」と考えている人が多いだろうが、10年もすれば自動車を買うのは一部のマニアや裕福層だけ、という時代になっているかもしれない。

大型モニターしかない大胆なインテリア

GITEX2022では今回紹介した以外にも近未来の生活が一変する技術や製品が数多く展示されていた。5年後、10年後、そして20年後に自分たちはいったいどんな生活を送っているのだろうか。その姿を誰も予想することはできないだろうが、今回紹介した技術が当たり前のものになっていることだけは確実なのだ。

未来の生活がどうなるのか、想像するだけでもワクワクする
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携帯電話研究家
山根 康宏

香港在住。最新のIT・通信事情を取材するため世界各国の展示会・新製品発表会を1年中追いかけている。日本のメディアに海外事情の執筆記事多数。訪問先では現地取材と称し地元のキャリアや家電店を訪問し必ずスマートフォンを買い求める。最新のハイスペックモデルからジャンクなレトロ端末まで興味の幅は幅広く、時には蚤の市で20年前の携帯電話を買っては喜んでいる。1度買った端末は売却せず収集するコレクターでもあり、集めた携帯電話・スマートフォンの数は1700台を超える。YouTubeでは日本で手に入らないスマートフォンや香港情報を発信している。YouTubeチャンネルは「yamaneyasuhiro」。Twitter ID「hkyamane」、Facebook ID「hkyamane」。
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