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Column

ついに開幕!東京の街が"ミュージアム"になる10日間

Beyond編集部が厳選する DESIGNART TOKYO 2022 の遊び方

author: Naomidate: 2022/10/21

日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2022(デザイナートトーキョー 2022)」。今年は「TOGETHER 〜融合する好奇心〜」をテーマに、表参道や渋谷、六本木、銀座など都内の約92展示に、世界中のアート、デザイン、インテリア、ファッションなど多彩なプレゼンテーションが集結する。この貴重な10日間、特にBeyond読者に楽しんでほしいトピックスを、3つの切り口で編集部が厳選。まさに"ミュージアム"となった秋の東京をぜひ楽しんでほしい。

まずは五感で味わう! アート&デザイン3選

アート作品と対峙したとき、その意味や背景、歴史、作家の想いなどに思考を巡らせる"左脳的な楽しみ方"の前に、右脳をフル回転させよう。作品のある空間で、自分が何を感じるのか、どう心が動くのか、を楽しんでみては。

01:香りとアートのインスタレーション

「all day place shibuya」でアートと香りを楽しむ

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Photo by Kenta Hasegawa

人間の五感の中で唯一、脳に直結している嗅覚。その嗅覚を刺激する、香りとアートのインスタレーション「FEEL HOTEL TOGETHER」が、all day place shibuyaで開催される。ここは、デザインとしくみでまちを豊かに楽しくすることを目指すUDSグループのホテル。

会期中は館内のカフェやレストランでスペシャルメニューが味わえるほか、来場者参加型のアートイベントも。A GreenのセンティングデザイナーMEGUMI FUKATSUが、五感の重なりやつながりをテーマにディレクションする。

展示期間:2022.10.21(fri)~10.30(sun)
営業時間:12:00~19:00、1F飲食店8:00~24:00、2F飲食店11:00~22:00
会場:all day place Shibuya│東京都渋谷区渋谷1-17-1
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/584/

02:健康状態が可視化されるデジタルアート

その瞬間の体調が絵画になる「MedicalArt」

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例えば、自分の今の体調が、絵画となって楽しめたら? 想像したこともないようなアート体験が叶うのが「MedicalArt」だ。

プランナー・デザイナー・エンジニア・大学院講師など多様な背景を持つクリエイター5人による共創プロジェクト KOMMUNE(コミューン)の作品で、自分のスマートフォンと、自撮りした写真、簡単な質問に答えるだけで、デジタルの絵画が生成されるという。この瞬間の自分にしか作り出せない作品をぜひ訪れて確かめてほしい。

展示期間:2022.10.21(fri)~10.30(sun)
営業時間:11:00~19:00(定休 水曜日)
会場:UN GRAIN│東京都港区南青山6-8-17 プルミエビル1階
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/613/

03:言葉が泡に、布が音になる

「ウィンド・ウィスパラー:⾔葉を⾵に乗せる」
「ファブリック・レコード」

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Photo by Mina Asaba

まるでおとぎ話のような作品は、どちらもStudio POETIC CURIOSITY(青沼優介・三好賢聖)によるもの。「詩的好奇心」をテーマに、今ある景色、現象、ふるまい、出来事などの行間に潜む詩的な観点を見出し、その言語化と具体化による制作を得意とする。

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Photo by Mina Asaba

自分の声が泡となって渋谷の空へ舞い上がる光景も、利用済みのテキスタイルや廃棄された繊維から奏でられる音色も、日常の見え方がちょっと変わる、アート体験の醍醐味を楽しめるだろう。

「ウィンド・ウィスパラー:⾔葉を⾵に乗せる」 展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.10.30(sun)
営業時間:8:00〜20:00
作品実演:平日/13:00〜16:00(29日は終日休演)、土日/11:00〜16:00(12:00〜13:00を除く) ※天候等の状況により直前に変更する可能性があります
会場:ブルーボトルコーヒー 渋谷カフェ、北谷公園│東京都渋谷区神南1-7-3 渋谷区立北谷公園内
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/634/


「ファブリック・レコード」 展示期間:2022.10.22(sat)〜2022.11.06(sun)
営業時間:10:00〜18:00
会場:ITOCHU SDGs STUDIO│東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/636/

休日に、仕事の合間に……2時間でハシゴできるアート&デザインスペース3選

都心の各エリアで魅力的な作品と数多く出会える10日間。遊び尽くしたいが、時間がない! という方に、すきま時間で巡るならココ、という場所をご紹介。シェアサイクルやコミュニティバスなど、多様な移動手段を組み合わせて巡ってほしい。

01:表参道エリアで2022年のテーマを実感!

サステナブル×テクノロジーの展示「NEXT CIRCULATION」

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まず訪れたいのは、DESIGNART TOKYOのインフォメーションセンターである、ワールド北青山ビル。表参道駅から徒歩3分、⻘山通りに面したガラス張りの空間が、廃棄衣類の繊維をアップサイクルした「PANECO®」を用いて大変身。手がけたのは注目のデザイナー板坂諭氏だ。

ここでは天然由来のプラスチックブランド「LandLoop」のアートプロジェクト“Printed Sculpture”からGELCHOPとBCXSYの作品や、サステナブルなものづくりを目指し・実践している台湾デザインを一堂に集めた「the SP!RAL」、100%リサイクルガラス製のシェードが使われた照明作品「Orbit」など、厳選された展示を楽しめる。

展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.10.30(sun)
営業時間:10:00〜18:00(21日のみ12:00 - 18:00)
会場:ワールド北青山ビル│東京都港区北青山3-5-10
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/3111/

「Landloop × GELCHOP / BCXSY」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/591/

「the SP!RAL」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/1871/

「Orbit」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/2428/

02:外苑前エリアでサスティナブルかつ
優れたデザインの最新プロダクトに出会う!

「めぐる、つなぐ、はじまる展」

ギャラリーが点在する外苑前エリアで立ち寄りたいのが、ITOCHU SDGs STUDIO。「三方よし」の精神とともに歩む総合商社伊藤忠商事が運営し、あらゆるSDGsに関する活動を後押しする発信拠点となっている。

会期中は、廃棄された木製家具と東京で伐採・製材された無垢の木材を再構成し、天然の藍染料で染められた藍染め家具「Ao.Re:(アオリ)」や、100%古着からできていて足音が静かで、ファッション性も高い、再生する下駄「Konel」など、サスティナブルかつ優れたデザインの最新プロダクトを間近で実感することができる。

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展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.11.06(sun)
営業時間:11:00〜18:00
会場:ITOCHU SDGs STUDIO│東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F

「Ao.Re:(アオリ)」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/555/

「Konel」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/1676/

03:渋谷エリアで新進気鋭のアジアのクリエイターたちに遭遇!

「DESIGNART GALLERY at Hz SHIBUYA」

千駄ヶ谷・原宿エリアを巡ったら、最後は渋谷・オルガン坂沿いのHzSHIBUYAを目指そう。今年のDESIGNARTで特に注目すべき、アジアのクリエイターに焦点をあてた「DESIGNART GALLERY」が開催されている。

若手支援プログラム「UNDER 30」に選出された、台北を拠点としたクリエイティブスタジオ messagingleaving(Chialing Chang)と、シンガポール出身のKaryn Limの展示、AIが画像生成しデザイナーが選定したフルカラー3Dプリンタの器が並ぶquantum × Stratasys Japanのプロジェクト「mitate」など、エッジの効いた作品が集合する。グローバルかつボーダーレスに広がるアートの今を体感したい。

展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.10.30(sun)
営業時間:11:00〜20:00
会場:Hz SHIBUYA│東京都渋谷区宇田川町4−3 1F

messagingleaving
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/599/

Karyn Lim
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/597/

「mitate : AI design project」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/588/

「The Bender」
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/640/

ゼッタイ観たい! 買いたい!  会いたい!ギャラリースペース3選

最後にして最大のおすすめは、点在するアートギャラリーに足を運び、作品を楽しむこと。しかも、美術館・博物館ではなかなか叶わない、作家本人とのコミュニケーションや、作品を購入することも可能。いつか行ってみたかった! というスペースを訪れる絶好のチャンスだ。

01:ダンスをテーマにした新作を公開

ジュリアン・オピー展@MAHO KUBOTA GALLERY

ジュリアン・オピー「Dance 1 figure 1 step 2.」2022年
アルミニウムストレッチャーにビニール、210 x 100 cm

ピクトグラムを連想させるようなシンプルな線と色彩で描かれた風景や人物、ミニマムな要素で表現されたスタイルで、アート界のみならず広くカルチャーシーンで支持を集め続けている、ジュリアン・オピー。1958年ロンドン生まれで、イギリスの現代美術を代表するアーティストだ。

日本美術への造詣が深く、広重や歌麿などの浮世絵の収集家でもあり、作風への影響もよく知られている。そんな彼の新作は、なんとTikTokで人気のシャッフルダンスがアイデアソースだとか。ペインティング8点とLEDディスプレイによる映像作品5点がお披露目される。合わせて渋谷 PARCO MUSEUM TOKYOでは、自身初となるVR個展も開催。この機会、ぜひどちらも逃さずに楽しんでほしい。

展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.11.26(sat)
営業時間:12:00〜19:00
会場:MAHO KUBOTA GALLERY│東京都渋谷区神宮前2-4-7
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/594/

02:MZ世代の作家3名によるグループ展

「The Future Eternal - 未来への轍」

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横山修作「emergence」(2022年制作)

日本画の佐藤健太郎(1990~)、竹工芸の横山修(1980~)、そしてガラス工芸の上前功夫(1985~)。異なる素材と表現方法で、独自の作品を生み出す現代作家たちが、今年のDESIGNART TOKYO 2022で一堂に会する。

現代アートの一過性の流行を追うのではなく、過去と未来を繋ぐ普遍的でありながら先進性溢れる抽象作品が見どころの彼ら。立体と平面の作品が並ぶ何とも贅沢なグループ展では、もちろん作品の購入が可能だ。作家が在廊するタイミングで訪れれば、作家本人に作品のことを直接聞いたり、感想を伝えることもできる。同世代のアーティストと言葉を交わし、新たな鑑賞体験を楽しんでみては。

展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.10.29(sat)
営業時間:11:00〜18:00(祝・日曜日休廊)
会場:ア・ライトハウス・カナタ│東京都港区西麻布3-24-20 霞町テラス6F
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/587/

03:「井村一登 at SANLORENZO JAPAN」

mirror in the rough photo by Naomi Circus

井村⼀登(1990~)は、「自分が映らない」鏡をテーマに制作し、鏡に使われる素材や技法を分析するほか、近年は鏡の歴史とルッキズムについても研究しているアーティストだ。今回の個展タイトル『Æ/æ』は、アルファベットのAとEの合字、かつ、鏡の構造上、素材の複合性から鏡を制作する過程で起きる現象を、鏡像と重ねてインスピレーション。

SANLORENZO(サンロレンツォ)は、すべて注文仕立て、個別に設えられたワンオフ艇で、ピエロ・リッソーニをはじめとする国際的な有名デザイナー陣が手掛ける、世界屈指のイタリアンヨットブランド。待望の日本プレローンチに合わせ、井村の作品と響き合い、幻想的な空間に出会えるだろう。

展示期間:2022.10.21(fri)〜2022.11.28(mon)
営業時間:12:00〜19:00(水曜定休日)
会場:MA5 GALLERY by SANLORENZO JAPAN│東京都港区南青山5-10-17
URL:https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/566/

DESIGNART TOKYO 2022 ┃デザイナート トーキョー 2022

会期:2022年10月21日(金)〜 2022年10月30日(日)
会場:表参道・外苑前・渋谷・原宿・明治神宮前・六本木・広尾・銀座
規模:参加クリエイター&ブランド数 約300名/92展示
主催:デザイナートトーキョー実行委員会
インフォメーションセンター
設置期間:2022年10月21日(金)〜 2022年10月30日(日) 10時〜18時(21日のみ12:00オープン)
場所:ワールド北青山ビル


Instagram:@DESIGNART_TOKYO

facebook:DESIGNART

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アートライター・文筆家
Naomi

服作りを学び、スターバックス、採用PR、広報、Webメディアのディレクターを経てフリーランスに。「アート・デザイン・クラフト」「ミュージアム・ギャラリー」「本」「職業」「生活文化」を主なテーマに企画・取材・執筆・編集し、noteやPodcastで発信するほか、ZINEの制作・発行、企業やアートギャラリーなどのオウンドメディアの運用サポートも行う。好きなものや興味関心の守備範囲は、古代文明からエモテクのロボットまでボーダレス。
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