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Interview

実録「ホワイト系YouTuber」〜vol.3〜

登山も、動画制作も…大好きなことを仕事にするためのポジティブ思考術【登山YouTuberかほ】

author: Beyond magazine 編集部date: 2022/11/02

小学生がなりたい職業第1位のYoutuber。しかし、ニュースを見ていると炎上系や暴露系といったグレー系なYoutuberが取り沙汰され、エキセントリックな部分ばかりクローズアップされてしまいがち……。本連載では、模範的な活動を続けるホワイト系のYoutuberにスポットを当てて直撃インタビュー。第3回目は、会社員時代に仕事で初体験した登山に目覚め、現在は専業の「登山YouTuber」としてその魅力を発信するかほさんです。

「登山」との出会いは仕事中の居眠りから!?

早稲田大学国際教養学部を卒業後、テレビ番組の制作会社へと入社し、ADの職に就いたかほさんが「登山」に魅せられたのは、ちょっとした仕事中の“失敗”がきっかけであった。

かほさん:ある番組のスタジオ収録で、私は舞台装置担当だったんですけど、収録中につい居眠りしちゃって(苦笑)。タレントの小島瑠璃子さんが出演していたのですが、彼女から「ADさんが寝てる〜」とふざけてツッコミを入れられ、禊(みそぎ)として冬山──八ヶ岳のピークの一つである2500m強の根石岳(ねいしだけ)まで初日の出を撮影しに行くという流れに……。それが初めて本格的な登山でした。

歩く時間は2〜3時間。クルーはガイドの資格を持っている山小屋のご主人とディレクターの3人だけ。当時はまだド初心者だったので、今から考えるとかなり無謀な企画でした。中学と高校のときはソフトテニスをやっていたので、それなりに基礎体力には自信があったのですが……。

大晦日の夜は大吹雪! けれど、山頂に着いたころには前日とは打って変わって晴天で、都会では見たこともない初日の出を目の当たりにし、その美しさにはただただ圧倒されるばかりだった……と、かほさんは回想する。

かほさん:標高が高い山の空は青が濃くなるものですが、「八ヶ岳ブルー」と呼ばれている根石岳の青はとにかく青かった! 特別な青でした。当時、「コンクリートジャングル」(笑)というか……東京の街で、会社と編集所を毎日行き来するようなルーティンで働いていた私にとっては、なんとも新鮮で得難い光景でした。

この日以来、「私も登山をやってみたいな…」という気持ちがだんだんと大きくなってきたんです。

YouTubeとTikTokの違い

「青すぎる八ヶ岳ブルー」に深く感銘を受け、かほさんは「登山」に目覚めたものの、実際のチャレンジとYouTubeチャンネルの開設までには、約3年ほどのブランクがあった。

かほさん:テレビや広告の仕事が忙しすぎたせいか、なかなか実行に移すことができなくて(笑)。IT企業に転職してからは多少時間の余裕ができたので、登山風景の動画を自撮りしながら、YouTubeへの投稿もスタートしました。基本的に撮影はiphoneで、編集はノートPCなので特に道具を揃える必要はありませんでした。

──なぜYouTubeだったのでしょう?

かほさん:テレビの仕事に就いていたころから、動画づくりには興味がありました。職場で簡単な動画編集はやっていたので、機材アレルギーみたいなものもなかったですし……。

それに、転職先のIT企業では動画をつくっているクリエイターさんと知り合う機会も多かったから、少なからずの刺激を受けたのかもしれません。

「動画投稿」となれば、昨今ではTikTokも選択肢としてはあったはず……? にもかかわらず、かほさんはYouTubeをチョイスすることに迷いはなかったという。

かほさん:YouTubeはチャンネルが一定の条件を満たせば動画を投稿することで収益が発生します。一方のTikTokは動画を投稿しただけでは収益にならない。TikTokのようなショート動画ではなく、YouTubeで長い動画を撮りたかったということもありますし、登山は交通費や道具代などでお金がかかるのでYouTubeがお小遣いになれば…というよこしまも気持ちがありました。

ただ、一番は、縦長の動画か横長の動画かの違い──自分がこれまで携わってきたテレビが横長だったというシンプルな理由でYouTubeを選びました。私はスマホで撮影しているため、横で撮るか、縦で撮るかで、ずいぶん印象や画角が変わってきます。横に慣れているというのもあるのですが、「山」という被写体には横のほうが相性がいいと思う。横長のワイドで、少しでもいっぱいの大自然を背景に入れたいですからね。

心がけているのは「定期的な投稿」と「流れるような編集」

現在、かほさんのYouTubeチャンネル『かほの登山日記』の登録者数は約24万人。動画視聴者数は最多だと20万人近くにものぼる。れっきとした「売れっ子YouTuber」の一人だと言えよう。しかも、開設2〜3本目の投稿で数字は急速にアップ! 収益化へと到るまでも、比較的スムーズだったらしい。

かほさん:テレビや広告の仕事で培ったスキルを活かして、一応前もっておおよそのプランは立ててみました。

最初は「なるべくたくさんの人が行きそうな山」ということで高尾山の動画をアップして、次に登山経験者なら誰でも知っているけど、高尾山よりはややマニアックな、「日本で一番紅葉が美しい」とされている涸沢カール(長野県上高地)に……。

ここの紅葉を絵に収めたら必ず観てもらえるだろうな……と。そして登山用の購入品紹介。いわゆる「テッパンのコンテンツ」を最初に惜しげなく出してしまう戦略です。

だが、かほさんの順風満帆だったYouTuberデビューに、まもなく新型コロナショックという大試練が襲いかかる……。

かほさん:YouTubeを始めたのが2019年の10月。「YouTuberを専業にしよう!」と、会社を辞めたのは2020年の2月で、その1ヶ月後の3月にコロナ禍が世界中を席巻しました。フリーランスになって「さあ! これから行くぞ!!」というタイミングで山に登れなくなってしまったんです。

やれることといえば「いろんな道具を買ってレビューする」だけ。人気コンテンツの登山動画がなくなったことで当然、収入も減ってしまいました。みるみるうちにお金だけが無くなっていって……あのころは大変でしたが、今となっては、あそこで諦めずに続けてよかったなと思っています。

社会人時代に貯めた貯金をくずし、「赤字が出てもいいから1年間は頑張ってみよう!」と心に決めたかほさん。やがて緊急事態宣言も明けて、徐々に山にも登れるようになり……現在は週2〜3本の動画投稿をおおよそのノルマとしている。

かほさん:一週間に2〜3本アップするためには、やはり最低でも週に1〜2回は登山に行きたい。残りの日は編集作業。登山のスケジュールが重なってしまった場合は、移動中の新幹線や飛行機の席や、宿泊施設内でも作業します。一本編集するのに平均7〜8時間はかかってしまうので。

けっこう厳しいスケジュールではありますが、定期的に動画をアップすることはすごく重要です。「出せば出すほどいい」というわけでもないのですが、「見てもらうこと」の習慣化には確実につながると思います。

──編集面で、とくに気をつけていることはありますか?

かほさん:若い人たちがよく観ているYouTubeは全体的にテンポが早めで、ズバッとシーンを断ち切るような編集だったりするのですが、登山の場合は40〜60代がボリュームゾーンなので、私はあまり急かしすぎない、流れるような編集を心がけています。

途中で会話を切ったりすることも、極力したくない。むしろ、編集方法としてはテレビ寄りなのかもしれません。

あと、私のチャンネルはあくまで「登山」なので、テロップや効果音を入れすぎてもうるさく感じる人もいるでしょうから、そのあたりのバランスにも注意するようにしています。

かほさんのお気に入りの一枚。逆さマッターホルン

YouTuberは私の天職!

過去の職歴を最大限に活かして、綿密なマーケティングと合理的な撮影・編集技術を武器に、完成度の高い動画を制作するかほさん。しかし「私個人としては、あまり視聴回数などの数字にはこだわっていない」と、彼女は断言する。

かほさん:「自分の好きな所に行って、自分の好きな動画を撮る」という根本の姿勢だけは失いたくありません。

私のなかでは、まずは「登山の楽しさ」を、自身のチャンネルを通じて知ってもらうことが最優先事項なので、危険要素──登山の危険要素やネガティブなトピックを全面に出して再生数に繋げたり、バズらせたりするということは考えていません。

SNSやYouTubeを負の方向に利用するのは嫌。炎上で視聴者数を稼いで楽しいのか……と。

とは言え、登山に危険な側面があるのは紛れもない事実だし、一歩間違えたら遭難してしまうことだってあるため、上級者レベルとされている山を登るときは、必ず専門のガイドさんに同行してもらい、そのガイドさんを動画でも紹介します。登山を始めたい方も、上級者用の山に挑むときは、お金はかかりますけどガイドさんを雇うことをおすすめします。

──「YouTuberになって良かった!」と思うことは?

かほさん:「本当に自分がやりたかった仕事で生活ができる」ということです。もちろん、テレビ制作のADも広告代理店の企画営業も自分がやりたかったことには違いないので、それはそれで充実していたのですが、「やりたかったこと」との距離は……やっぱりYouTubeがもっとも近い気がします。

だから、私はYouTubeを“ステップ”としては捉えてはいません。

動画をつくることがとにかく好きなので、将来の展望は「現状維持」と「自身の成長」だけ──私はYouTuberがとても性に合っている。人前に出ることもそんなに嫌いじゃない(笑)。真剣に「天職」だと思っているので、逆にGoogleさんにはもっと頑張ってもらって、YouTubeをずっと継続してもらいたいし、どんどんどんどん大きくなっていって……いずれはテレビと肩を張るようなマスメディアになってくれたらいいな……と心底から願っています。

「分析→トライ→反省」の繰り返しが明暗を分ける

さて。それでは、ここらあたりでYouTuberを目指している人たちに向けて、かほさんからアドバイスをいただこう。

かほさん:YouTubeにかぎった話ではないのですが、とりあえずは

「正しいことをやる」というのが大切

……だと思います。たとえば、二つの選択があったとして、そこに視聴者数や利益が絡んできたとしても、「正しいこと」を誠実に選択できる人間ではいたい。遠回りになってもいいので「正しいこと」を選び続けることで成功に近づくと信じています。

──テクニカルな面でのアドバイスもお願いします。

かほさん:自分がYouTubeでなにを発信したいのかを決めたら、いろんな人のYouTubeをたくさん見て、どういう動画が数字的に伸びているのか、どんなサムネールにしたら視聴者の目を惹きやすいのか、面白いのに数字が伸びていない動画はなにが原因なのか……諸々を自分なりに分析してトライしてみる。

そして、トライしてみては反省して……地道ではありますが、そういった堅実な繰り返しが、案外YouTuberとしての明暗を分けるのではないでしょうか。

最後に、『Beyond』読者であるZ世代のあなたにも、かほさんからメッセージをいただいた。

かほさん:20代前半くらいでも「もう新しいことに挑戦するには遅すぎるのかな?」と思い込んでいる人は、わりと多かったりします。さらに20代後半になると、「なにをやるにも遅い!」という諦観がより強くなってきて……。

私がじつはそうでした。YouTubeを始めたときも「年齢的には遅すぎたかな…」みたいな不安を抱きもしました。けれど、「遅い」なんてことは全然ない! もしなにかやりたいことがあれば──なにかを変えたいなという気持ちが心の中に少しでも芽生えたなら、ぜひすぐに行動してみてください。

今年のヨーロッパ遠征で見たスイス・グリンデルワルトの山々

取材協力:karrimor
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かほ

岐阜県生まれ。早稲田大学国際教養学部を卒業後、テレビ会社の制作会社に入社し、ADの職に就く。その後、広告代理店にIT企業を経て2019年10月に自身のYouTubeチャンネル「かほの登山日記」を開設。2020年3月からはフリーランスの専業YouTuberに。「登山YouTuber」として、現在はYouTubeにとどまらず、あらゆるメディアに活動の幅を広げている。
Instagram:@kaho_yamanobori

かほの登山日記


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Beyond magazine 編集部

「遊びで超える、今日の自分。」をコンセプトに、30代やミレニアム世代、Z世代のセンスをアップする情報をお届けする編集部アカウント。
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