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迫り来る印製スマホの波

中国、ベトナムの次はインドが世界のスマホ工場に

author: 山根 康宏date: 2022/06/04

日本でも中国メーカーの5Gスマホが増えてきた。そもそもiPhoneだって主要な生産国は中国だ。ところが最近はベトナムで作られたスマホも一般的となり、そしてついにインドで作られた5Gスマホも次々と登場している。いずれ日本でも「メイド・イン・インディア」な5Gスマホが売られる日がくるだろう。

スマホの通信速度を劇的に高速化する5Gサービスの普及が各国で広がっている。中国ではすでに5Gの利用者は3億を突破しており、日本の人口を超えるユーザーがスマホで快適に動画を見ているのだ。この5Gの普及を後押ししているのが、手軽に買える5Gスマホの存在だ。

3月に発売になったアップルの「iPhone SE 第三世代」は5万7800円で、5G対応iPhoneのなかでは一番安い。しかし海外ではその半額以下、2万円台で買える5Gスマホも続々と登場しているのだ。

realmeの激安5Gスマホ「V」シリーズ

世界のスマホ工場はベトナム、インドに

低価格スマホと言えばシャオミが幅広いラインナップを展開しており、同社は今や世界3位のメーカーにまで上り詰めた。シャオミだけではなく他の中国メーカーも格安5Gスマホを次々と出している。もはや「安いスマホは一世代前の4G対応」ではなく、5Gが使える低価格モデルが次々と登場しているのだ。たとえば、中国のrealmeは日本円で2万円以下の5Gスマホも海外で販売している。

ところで、スマホの産地と言えば「世界の工場」である中国と思う人が多いだろう。だが数年前にサムスンがスマホの工場をベトナムに移設。今やサムスンのスマホのほとんどはベトナムで作られている。そして、サムスンを追いかけるように協力工場が次々とベトナムで立ち上がったことにより、今やベトナムは中国に次ぐスマホ生産国になろうとしているのだ。中国には政治的リスクもあり、中国以外でのスマホ製造を増やすメーカーが増えている。

Galaxy A53 5G。サムスンのスマホの多くはベトナムで作られている

そのベトナムに次ぐスマホ生産王国となろうとしているのがインドだ。インドは国策として輸入スマホに高い関税をかけており、スマホの国産化を広げようとしている。ベトナムのようにスマホメーカーや生産メーカーが増えれば関連企業も増加し、結果としてインドのスマホ産業の技術力と競争力が高まるからだ。この政策によりインドで製造されるスマホは年々増えており、2021年にはついにインド製の5Gスマホが登場した。

インド製の5Gスマホが急増している

Lavaが2021年11月に発売した「AGNI 5G」はインド企業、インド製造となる初の5Gスマホというエポックメーキングな製品だ。価格は1万7990ルピー(約3万円)で、6.78インチディスプレイ、6400万画素カメラを搭載した5Gスマホとしては妥当だろうか。インドでも今やシャオミなど中国メーカーが低価格5Gスマホを次々と出しているが、AGNI 5Gはインド人が作ったスマホとして支持を受けているという。

インド企業が作った5Gスマホ「AGNI 5G」

インド展開する中国スマホ勢力

一方、中国企業ながらインドなどを中心にスマホを展開しているInfinixやTecno Mobileもインド製造の5Gスマホを相次いで投入している。この2社は実は中国のTranssion Holdingsの傘下メーカーだ。しかし中国ではファーウェイやシャオミなどの力が強いため、あえて中国を捨てインドやアフリカという次の成長市場でスマホを販売しているのだ。

Infinixの「Zero 5G」は背面のカメラ周りがなめらかな曲線で構成されている美しい外観のスマホだ。撮影カメラは4800万画素広角+1300万画素望遠というちょっと変わった組み合わせになっている。一般的なスマホは標準の広角カメラに加え、風景や複数人物を撮影しやすいように超広角のカメラを搭載しているが、Zero 5Gは「インド製5Gスマホ」を大きくアピールしたいのか、あえて超広角を搭載せずに、多くの人が気にする望遠カメラを搭載したのだ。

カメラ周りのデザインに特徴のあるInfinix Zero 5G

Tecno Mobileの「Pova 5G」も背面のテクスチャを美しく仕上げたモデルだ。性能では中国メーカーと競えないことからか、本体デザインでの差別化を強化しているようである。ディスプレイは6.9インチと大型で、カメラは5000万画素。6000mAhと大型のバッテリーを搭載している。

背面のテクスチャで差別化を図るTecno MobileのPova 5G

このようにインドで作られた5Gスマホが次々と増えている。しかもインドだけではなく、アメリカでもインドのスマホが売られているのだ。アメリカ最大の通信キャリア、ベライゾン・ワイヤレスが販売する5Gスマホ「Orbic Myra 5G UW」はインドで生産された製品だ。

もはやインドで作った5Gスマホであっても、その品質をアメリカの消費者は十分受け入れているのである。ベライゾンは日本でいえばドコモのような存在であり、ドコモがインド製の5Gスマホを販売すると考えれば、その実力を理解できるのではないだろうか。

アメリカで売られるインド製5Gスマホ「Orbic Myra 5G UW」

今のところインド製だからといって特別な機能が搭載しているモデルは出てきていない。しかしインドの気候や文化を背景に作られたスマホは、中国メーカーの製品とは一味違うテイストのものに仕上がるのではないだろうか。5Gスマホを買うならインド製がいい、なんて思われる日が近いうちにやってくるかもしれない。


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携帯電話研究家
山根 康宏

香港在住。最新のIT・通信事情を取材するため世界各国の展示会・新製品発表会を1年中追いかけている。日本のメディアに海外事情の執筆記事多数。訪問先では現地取材と称し地元のキャリアや家電店を訪問し必ずスマートフォンを買い求める。最新のハイスペックモデルからジャンクなレトロ端末まで興味の幅は幅広く、時には蚤の市で20年前の携帯電話を買っては喜んでいる。1度買った端末は売却せず収集するコレクターでもあり、集めた携帯電話・スマートフォンの数は1700台を超える。YouTubeでは日本で手に入らないスマートフォンや香港情報を発信している。YouTubeチャンネルは「yamaneyasuhiro」。Twitter ID「hkyamane」、Facebook ID「hkyamane」。
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