機構、デザイン、機能性、素材、歴史に到るまで膨大な種類が存在する腕時計は、「これ!」という選択をするために、いくつもの“理由”が必要になる。それは自らのライフスタイルを表す鏡であり、いかに自分のことを理解しているか、ということに近い。ふと、衝動買いしてしまったグランドセイコーの「SBGM247」に引き寄せられた理由を考えながら、時計の存在意義を考えてみた。
キャンプへ行くようになり、常に緑を感じたくなった?
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この数年、妙に緑(グリーン)が気になる。特にくすんだカーキがいい。そのせいでバッグに、シャツに、シューズに、パンツに、クルマにと、どんどん身の回りにカーキのものが増えていく。自分でもなぜか分からないほど集めてしまい、ちょっと不可解なほど増殖したので、その理由を考えてみた。
職業柄、パソコンやスマホは常に手放せない。SNSやメールなどずっとデジタル漬けの毎日だ。その反動か、アウトドアにハマった。キャンプに釣りにカヤックに、もっともっと外で遊びたい欲が止まらない。だから日常でも常にフィールドを感じていたいのか、常にグリーンやカーキを目で追うようになった。
キャンプから帰ったあとは、すぐにフィールドへ戻りたくなることが多い。とはいえ、仕事をしながらそこまで時間があるわけではなく、すぐデジタルまみれの毎日。だからだろうか、心が大地を欲する。そこで日々の相棒としてフィールドを感じられる時計が必要だったのかもしれない。
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日本が海外に誇るグランドセイコーは、部品のひとつひとつまで自社で製造し、職人による組み立てにこだわった高級時計ブランド。美しいカーキのダイヤルに惹かれて購入した「SBGM247」は、コンパクトサイズのメカニカルGMTウオッチだ。40,5mmという実用性に優れたサイズ感は腕に収まりがよく、スポーツウオッチなのに高級感ある針やインデックスはグランドセイコーらしく、光を集め美しく輝く。
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デュアルカーブサファイアのガラス、太く存在感ある時針・分針、内面無反射コーティングによる高い視認性は、気候の変化が激しいアウトドアにおいても安心できるし、最高峰の金属加工技術である“ザラツ研磨”を駆使した流麗な外装は所有感を満たしてくれる。
ウォーターアクティビティにも安心して装着していられる
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重さは180g。コンパクト設計とはいえ、やはり機械式腕時計は腕に重みを感じるが、その存在感がまた心地いい。光を受けて表情を変えるカーキのダイヤルは深い緑にも、新緑を思わせる瑞々しいグリーンにも見え、見ていて飽きない。
20気圧防水という高い機能性を備えており、水のアクティビティにも安心して身に着けていられる。カヤック遊びにも付き合わせたところ、キラキラと光る水面のようにインデックスやエッジの効いた針が輝く。差し色となっているカーキの補色であるオレンジのGMT針が、自然に溶け込むバランスの良さを感じさせる。
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海外旅行などで活躍するGMT針は正直、実用として使うシーンこそ少ない。ただメカニカルにおけるギミックの素晴らしさを体感できるし、時針・分針・秒針に加えた4本目の針というデザイン的な面白さも魅力的だ。
最高の技術と素材で自らのスタイルを表現する
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機械式(メカニカル)のグランドセイコーは、その心臓部であるムーブメントに「9S」と呼ばれる名を冠し、200~300点のパーツで構成される部品のひとつひとつが自社で製造され組み立てまでを行う“マニュファクチュール”。洗練された匠の技術とその理念は、知れば知るほど名品と呼ばれる理由がわかってくる。
しかも以前は“おじさんが身に着ける時計”という印象もあったグランドセイコーだが、2017年にブランドを独立させ、海外、とくにアメリカで受け入れられている。若者にとても好評とのことで、伝統あるロレックスやオメガといったブランドではなく、日本から到来したチャレンジングな“新しい”ブランドという認識なのだそうだ。
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スマホで正確な時間を計れるようになった昨今、高級時計はその存在意義を問われることが多い。スマートウォッチに取って代わられている現状も確かにあるが、「SBGM247」と過ごして思うのは、腕時計とは移ろいゆく世の中で“今”の自分を教えてくれるツールなのだ。嫌いなものじゃなく、好きなもので暗に自分を語る。また、“こうなりたい自分”という道標にもなるだろう。
肌見離さず一緒にいる相棒だからこそ、納得して身に着けたい。一風変わったカーキのグランドセイコー、これからもよろしく!