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家電のトレンド分析

2021年のキッチンは、黒い調理家電を欧州の街らしく並べる。

author: 滝田 勝紀date: 2021/04/21

冷蔵庫、炊飯器などのいわゆる生活家電と呼ばれる白物家電に、昨今黒い家電が続々と登場している。家電スペシャリストであり、本誌プロデューサーの滝田勝紀は、2021年にモダンなキッチンを演出するなら、黒い調理家電を欧州の街並みを意識して並べて欲しいとのこと。その理由を冷静に分析してみた。

カラー百花繚乱から黒やシルバーにトレンドシフト

かつては生活家電を白物家電、オーディオビジュアル家電を黒物家電と呼んでいる時代がありました。なぜそのような呼び方をしていたのか? それは当時は生活家電がほとんど白基調なアイテムばかりで、テレビやスレテオなどのオーディオビジュアル家電といえば黒基調なものばかりだったからです。

ですが、2010年くらいから、生活家電にさまざまなアクセントカラーが採用され始め、百花繚乱なカラー時代に突入。特に調理家電は比較的サイズが小さいことから、赤などの強めのキーカラーを採用し始めるメーカーも増えるなど、量販店の店頭でも強めの色を展示に採用する動きが目立つようになります。

ただ、時代や流行りはどんどん移りゆくもの。2021年現在のトレンドは黒一色、もしくはアクセントにシルバーを組み合わせたようなクールなキッチン家電が好まれ、多くの家電メーカーがそれらの色をキーカラーとして採用するようになります。

パナソニックは数年前から炊飯器などを黒に統一、今年2月には黒一色のオーブントースター「ビストロ」を発売しました。シャープも昨年夏からウォーターオーブン「ヘルシオ」を黒一色に。他社でも黒のカラー推しのラインなどが続々と登場。さらにコロナ禍の巣ごもり需要が爆発した時期には、高級感を演出しやすい黒は多くの家庭でも支持されました。

“生活家電の嗜好品化”がもたらした潮流を黒を後押し

黒やシルバーの配色は家電のデザインにおいて、冒頭でも触れた通りオーディオビジュアル家電がルーツだと思います。この配色の特徴は見る人に高級感あるイメージを与えるところです。これはダイソンやバルミューダなどが牽引する“生活家電の嗜好品化”がもたらした潮流ではないかと考えます。さらにリノベーションなどの流行によりオープンな間取りが増え、本来家屋の奥まった場所にあることが多かったキッチンが、リビングとシームレスにつながるようになってきた環境的変化なども、黒やシルバーの家電が支持されるようになった理由だと推察します。

黒は光を吸収遮断します。さらに周囲に存在する色を引き締めて、強く際立たせます。黒と組み合わせた場合、例えばシルバーというカラーが有するイメージ、つまり精緻性の高さなどを強める効果があります。プロユースの調理器具や飲食店のキッチンなどはステンレスがむき出しだったり、シルバー基調であることがほとんどですが、その辺りのイメージを自然と想起させるのです。

とはいえ、黒もシルバーも共通している特徴が、素材感や表面処理加工が非常に強く表れるカラーであり、例えばステンレスなどの金属とプラスチックでは、同じカラーの組み合わせだったとしても、かなり印象が変わってきます。素材の組み合わせなどのバランスによっては、チープな印象になっているものも存在してしまっているので、家電を選ぶ際にはその点も留意したいところです。

パリの街並みを形成する石造りの建物は高さも統一

筆者の使用するオフィスは、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏のリノベーションした空間であり、ウッドのカウンターやレトロなキッチンデザインに調和させるように、現在は黒やシルバーの調理家電のみでキッチンはコーディネートするというルールを課しています。

家電コーディネートは窪川氏のアドバイスに基づいて、筆者がセレクトしたもの。なぜこのようなルールを課しているのか? それはキッチンをひたすらセンスよく保ちたいため。窪川氏は言います。

「調理家電は欧州の街並みをイメージするように、並べたりセレクトすることをおすすめします。理由はキッチンという場所は、家の中でも最も数多くの家電が並ぶ場所だから。カウンターなどに林立する家電を建造物に例えると、同じような高さ、同じような色で統一した方が、当然美しい景観と調和をキッチンに生み出します。全く異なるカラーの家電などが混じると一気に景観は崩れ、ノイズになりかねません。デザイン主張の強すぎる家電なども同じです」

東京の街並みを思い浮かべてください。いろいろな形や色、素材を使った建物が統一感なく、多くの街はそれぞれの建物が好き勝手にデザインされ、結果、カオスな街並みとなっています。対して、パリの街並みはどうでしょうか? 石造りの建物は高さなども統一され、19世紀以来、美しい景観が保たれています。

これは当時、パリを管轄する県知事が道路幅に対して建物の高さを定め、景観を維持するための屋根の傾斜角など、外観のルールを厳格に定めたから。隣接する建物の高さはほぼ揃っており、屋根裏を入れて7階建ての建物のベランダは、3階と5階に設置されている建物がほとんど。隙間なく外壁がつながった建物群は、どの街角でも統一感のある街並みを構成しているのです。

今、キッチンに並べる調理家電をセンスよくコーディネートしたいなら、黒またはシルバーを採用した家電を、欧州の美しい街並みを参考に美しく並べることをおすすめします。

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Beyondプロデューサー・家電スペシャリスト
滝田 勝紀

Beyond Magazineのプロデューサー。電子雑誌「デジモノステーション」の元編集長。All Aboutの家電ガイドとして活動中。楽天のショッピングSNS「ROOM」の家電公式インフルエンサーを務め、フォロワー数は40万人(2021年3月現在)以上を抱える。ベルリンで毎年開催される世界最大の家電見本市「IFA」ほか、海外取材の経験も豊富。インテリアスタイリスト窪川勝哉氏とともに、オフィス兼「家電とインテリアのショールーム」をオープン。コンサルティングクリエイターとしても活躍中。
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